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授業の内容(Course Description) |
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財政とは政府の経済活動であり、この講義では日本の財政について、主として中央政府(国)を対象として取り扱う。 現代日本の制度では、憲法の定めによって、財政を処理する最高の権限は国民の代表が構成する国会に属している。ひとりのこらず納税者である国民はその代表を通じて財政に関することがらを最終的に支配する権限を有しているのである。政府は、この制度のもとで財政に関する具体的な事務を執行する権限を付与されているという関係にある。現実には、財政に関するさまざまな制度は複雑であり、本来はその主体であるはずの国民からは縁遠いところで動いているという感覚をもって受けとめられることがしばしばである。 財政の制度が複雑であることは、国民が公平に租税を負担し、その租税を正確に運用していくためには不可欠であるという側面もある。この授業では、現実に複雑である日本の財政のしくみと機能をできるだけわかりやすくかつ正確に講義していくことを目的とする。 春期においては、財政の概観、近代財政のしくみと財政民主主義、日本における財政民主主義の制度、経費論と社会保障の問題を扱う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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納税者の立場から財政との関わりを学び,主権者である納税者としての自覚を獲得すること.
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成績評価方法(Grading Policy) |
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試験の成績と出席状況を総合して評価する.原則として毎回出席をとる.試験の実施方法(定期試験の有無,小テストの有無)については開講後,履修登録数などを考慮して授業で告知する.
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストはとくに定めない. 参考文献:重森暁他『BASIC現代財政学[新版]』(有斐閣)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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出席し,ノートをしっかりととりながら聴講すること.黒板の坂書の書き写しのみでは不充分と心得ること.
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 財政とはなにか 【第2回】 当面する財政問題:予備的概観 【第3回】 近代財政の形成過程と財政民主主義(1) 【第4回】 近代財政の形成過程と財政民主主義(2) 【第5回】 日本国憲法と財政民主主義(1) 【第6回】 日本国憲法と財政民主主義(2) 【第7回】 日本の財政制度(1):政府の構造 【第8回】 日本の財政制度(2):予算制度 【第9回】 公共部門の役割と経費(1):経費論の課題と意義 【第10回】 公共部門の役割と経費(2):経費の構造 【第11回】 公共部門の役割と経費(3):経費構造の歴史的考察 【第12回】 社会保障と財政(1):社会保障と政府の任務 【第13回】 社会保障と財政(2):公的年金制度の制度と財政問題 【第14回】 社会保障と財政(3):医療・介護保険制度と財政問題 【第15回】 まとめと試験(ただし試験の実施方法は開講後に決定)
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