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授業の内容(Course Description) |
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近年、法人の合併が頻繁に行われるようになった。都市銀行は以前は13行あったのが、今や、4行になった。大手百貨店の合併があり、家電メーカーの合併もあり、重電機メーカーが複数の子会社を完全子会社にしたり、今や、合併は日常茶飯事となった。このような合併、さらに分割などを、組織再編成と言う。このような組織再編成が、租税を回避するためではなく、経済全体にとって有益に前向きに行われるように、定められた税制が、適格組織再編税制である。この適格組織再編税制が平成13年度に導入されてから、法人税法は、極端に難解になった。この導入によって法人税法の条文は量的には2倍弱になったが、難解さは10倍ぐらいになった感がある。
法人の合併等を理解するためには、適格組織再編税制の理解が必要不可欠である。法人税法を理解するためは、適格組織再編税制の理解が必要不可欠である。
そこで講義では、この適格組織再編税制について、簡潔に説明する。しかも、法人税法の他の規定の理解に応用できるように、手助けになるように、説明したい。
適格組織再編税制が理解できれば、法人税法の基本が理解できる。そういう観点から講義を行う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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学生の皆さんは、卒業して社会に出たとき、仕事の上において、或いは、広く人生において、様々な場面に遭遇する。それらの場面それぞれを、臨機応変に分析でき、対策を立てられるようにする。原因と結果、目的と手段などを明らかにし、対策を立てられるようにする。自分のアタマで考えられるようにする。暗記では、分析できない。様々な場面それぞれを、自分のアタマで、考えて、判断でき、対策を立てられるようにする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験による。講義で述べたことから出題する。出欠は取らないが、出席した方が回答し易い、そんな出題を行う。例えば、文章の穴埋め問題では、出席していない人にとっては、文章がつながらないチンプンカンプンなものであろう。出席している人にとっては、普通につながるであろう。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト
河野 惟隆『法人税法の研究』税務経理協会。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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日々の経済現象には、原因があり、過程があり、結果があり、それに対して、対策がある。その対策が、また、因となり、果となってゆく。このように、経済現象は、繰り返す法則として、存在する。学生の皆さんには、経済学は、何よりも、経済現象を、因果関係として明らかにし、対策を立てる、学問である、と理解してもらいたい。この講義では、日本の現実の経済の中における、法人税法の因果関係と対策について述べる。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
法人税法の所得金額
【第2回】
法人税法の利益積立金額
【第3回】
法人税法減価償却の新規定
【第4回】
適格合併等における欠損金繰越控除(その1)
【第5回】
適格合併等における欠損金繰越控除(その2)
【第6回】
適格合併の欠損金繰越控除の制限と緩和(その1)
【第7回】
適格合併の欠損金繰越控除の制限と緩和(その2)
【第8回】
適格合併における利益積立金額の引継ぎ
【第9回】
適格合併における未処理欠損金額の引継ぎ
【第10回】
欠損等法人・特定支配関係による適格合併(その1)
【第11回】
欠損等法人・特定支配関係による適格合併(その2)
【第12回】
特定適格合併と「共同で事業を営むための合併」
【第13回】
適格合併における減価償却資産の引継ぎ
【第14回】
適格組織再編税制における減価償却資産と利益積立金額(その1)
【第15回】
適格組織再編税制における減価償却資産と利益積立金額(その2)
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