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授業の内容(Course Description) |
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アメリカのサブプライムローンに発した金融危機は、ヨーロッパ、日本、新興国に波及し、世界各国の実体経済が同時かつ急速に縮小する世界経済危機になった。日本経済は一足先にバブル拡大・崩壊・長期低迷を経験した後回復し始めていたが、輸出依存だったため再び危機に陥った。世界経済、日本経済が危機を脱して新たな成長を目指すためには、国民1人1人が、世界経済、日本経済はなぜ危機に陥ったのか、どうすれば脱出できるのか、危機を繰り返さないためにはどうすればよいのか、考えを深める必要がある。 マクロ経済学は、このような世界経済、日本経済を全体としてとらえ理解するために必要な概念、統計、理論を提示する。この授業では、世界経済、日本経済の危機の現状について最新のデータを見ながら、それを理解し分析するために必要最小限な知識を身につける内容としていく。 具体的には、GDP統計の基礎となるマクロの経済循環のチャートをもとに、モノの流れとしての投入−生産−支出−分配構造、カネの流れとしての貯蓄−投資構造をしっかりと頭に叩き込む。これを生産要素−生産技術−生産量を表す生産関数、要素市場における資源配分・需給均衡、製品市場における予算配分・需給均衡としてとらえ、マクロ経済学の基礎にはミクロ経済学があることを理解する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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マクロの経済循環をモノの流れ、カネの流れの両面からとらえられるようになること。 世界経済、日本経済の危機について関心を持つようになること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テスト100%。 テストは、授業をまじめに受け、家で勉強し、最低限の知識(MR)を身につけたか、自分で考える力(自分流)を身につけたかどうかをみる。 欠席・遅刻・早退、教室にいても授業不参加・ケータイ・マンガ・ゲーム・寝る・喋る・立ち歩く・飲み食いするでは、単位はとれない。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:グレゴリー・マンキュー『マクロ経済学I、入門編』第2版 東洋経済新報社、2003年
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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新聞やテレビの経済報道をみて、分かろうとするようになってほしい。それが就職活動に必要な一般常識につながる。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 はじめに 何が分かるようになるか、何が分かればよいか。 【第2回】 第1章 入門の入門 1.日常生活の背後にある経済学 ①時間制約、予算制約、②生産関数 【第3回】 ③生産可能性曲線、④無差別曲線、⑤費用関数 【第4回】 ⑥限界便益、限界費用、⑦需要と供給、⑧消費者余剰、生産者余剰 【第5回】 2.日本経済のたどった道と現状 ①景気、②失業・就職状況、③デフレ、④株価 【第6回】 3.世界経済危機の現状 【第7回】 第2章 マクロ経済のデータ 1.GDPと経済循環、3面等価 【第8回】 2.GDPのさまざまな概念 ①付加価値、②名目と実質、③GDPとGNP 【第9回】 ④需要項目の構成 【第10回】 3.デフレ・インフレの統計、状況 4.失業・雇用の統計、状況 【第11回】 第3章 マクロ経済の循環と市場均衡 1.市場と経済循環 【第12回】 2.閉鎖経済、完全雇用の場合の市場均衡 ①モノの流れ(財市場の均衡) 【第13回】 ②カネの流れ(貸付市場の均衡) 【第14回】 3.マクロの生産関数 【第15回】 4.生産要素、限界生産性、要素価格 5.国民所得の分配
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