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授業の内容(Course Description) |
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この講義では中国とならびアジアの新興工業国として注目されているインド経済を取り上げる。四半世紀後の世界では米国、中国、インドが三大経済大国となるという予測も行われています。講義はインド経済の現状から出発するが、インド経済論 I は、現段階に至るインド経済の歴史を振り返るとともに、インド経済が直面している主たる課題を取り上げる。インドは人口11億人で中国に次ぎ、また経済発展の地域的格差も大きく、小国型発展戦略がそのまま適応できない複雑さを持つ。しかし、息の長い高成長が続き、一定の豊かな中間層の形成が見られインド経済が大きく動いていることは事実である。また議会制民主主義の発展という点では、中国とは異なる条件のもとでの発展であり、新たな発展モデルとなっている。この躍動するインド経済を明暗を含め多面的に考察することを課題とする。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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インドという新興経済国に関する基礎的知識を得て、途上国経済について自分なりの意見を持てるようになることが期待される。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末定期試験によって評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:配布プリント。 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参考にすることが望ましい。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎します。また、未知の世界を知ってそこから将来の生き方・職業を考えようとする学生の聴講を期待します。 新しい分野ですので、授業に出ないと補うことは容易ではないと思います。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 インド経済が注目される理由は何か。現在の世界不況とインド経済。 【第2回】 インドの地理的位置づけと経済社会の特徴 【第3回】 インドの経済・社会の歴史(1) イギリスによる植民地のプロセス 【第4回】 インドの経済・社会の歴史(2) イギリス支配下のインドの変容 【第5回】 インドの経済・社会の歴史(3) 独立運動の発展とインドの将来図 【第6回】 インドの経済・社会の歴史(4) 「社会主義型社会」の理念と構造:国家主導型輸入代替工業化政策 【第7回】 インドの経済・社会の歴史(5) 多民族・多宗教・多言語集団と国民統合 【第8回】 現代インド経済の課題(1) インド資本主義の発展と財閥形成 【第9回】 現代インド経済の課題(2) 中央政府と州政府 【第10回】 現代インド経済の課題(3) インド労働市場の特徴 【第11回】 現代インド経済の課題(4) エネルギー制約の克服の課題 【第12回】 現代インド経済の課題(5) カースト・部族集団と経済発展 【第13回】 現代インド経済の課題(6) インドの政党政治と経済政策 【第14回】 現代インド経済の課題(7) 南アジアの地域統合の課題 【第15回】 インド経済論 I の総括 ガーンディー思想は死んだのか
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