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授業の内容(Course Description) |
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本講義では、ミクロ経済学を講義するが、本学部大学院生の専門と関心を配慮し、ファイナンシャルな分野を中心に行う。現代のミクロ経済学は、資産市場や金融市場などを分析するツールが開発されたことにより、金融トレーダーや会計担当者、資産運用担当者などにも不可欠のものになってきている。院生諸君が、修了後にどのような分野に進出しても役立つ知識となることを保証できる。 具体的に講義内容を列挙しよう。最初に、株価や地価の決定の最も基本的なモデルである裁定均衡について解説する。これは、どんな資産についても、その価格を評価する基本となるので、知って損はない。ファンダメンタルズ価格、割引現在価値などという会計・簿記上でも大変に重要な概念をも、併せて理解できる。またPERなど株価を評価するスタンダードな基準との関係への理解も深まる。以上のまとめとして、バブル経済とは何であるか、どうして起きるのか、その経済学的な説明を試みる。 さて、その次には、トービンによって導入されたq値のことに足をのばそう。これは、企業の価値を測る上で重要な指標なので、企業研究を行う院生にも貴重な知識となることは間違いない。昨今話題の企業買収(M&A)とも密接な関係を持っている。 使う数学については、事前に復習とトレーニングをほどこす。講義はパワーポイントにその場で入力しながら行うので、留学生諸君にも聞きやすいと思う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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株価の裁定方程式を到達目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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講義内の問題演習の点数、出席、レポートの総合評価による
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:小島 寛之 『MBAミクロ経済学』 (日経BP社)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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必ず毎回出席することを要望する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義ガイダンス~講義の内容、単位取得方法などを説明 ミクロ経済学とはどんな分野か 【第2回】 金融商品の本質~株と債券 【第3回】 株価の決まり方その1―裁定均衡 【第4回】 株価の決まり方その2―ファンダメンタルズ価格とPER 【第5回】 株価の決まり方その3―PERとPBR 【第6回】 株価の決まり方その4―割引現在価値 【第7回】 株価の決まり方その5―合理的期待均衡 【第8回】 株価の決まり方その6―合理的バブル 【第9回】 M&A(買収・合併) 【第10回】 金融評価と実物評価~トービンのq 【第11回】 投資の調整費用~ペンローズ効果 【第12回】 最適投資の理論その1~調整費用とペンローズ効果 【第13回】 最適投資の理論その2~トービンのqとの関係 【第14回】 企業は誰のものか 【第15回】 まとめ
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