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授業の内容(Course Description) |
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前期のスポーツ学原論 I では、スポーツの特性とその現代における意義と役割について論じた。後期では、スポーツの歴史・文化・伝統にふれ、スポーツと芸術の関わりがどのようなものであるかについて示す。また、スポーツは今後どのような方向へ展開していくのかを分かりやすく説く。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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前期に示した現代のスポーツはどのような経緯を経て形成されてきたかについて歴史的・文化的に考察し、有史以前からのあそびや身体活動がグローバルなスポーツ活動として発達・進化してきた過程を理解し、人間にとってのスポーツの本質と基礎についての知見を得る。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業内に行うショートレポート・感想文及び学期末の課題レポートにより評価する。従って、授業への出席はその前提となるものである。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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基本的には、オリジナルプリント、視聴覚教材を活用する。 参考文献:『文化としてのスポーツ』オーモ・グルーペ著(ベースボールマガジン社) 『スポーツの本質と基礎』カール・ディーム著(法政大学出版局)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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スポーツを深く知るためには、そのルーツや哲学を理解する必要がある。是非、授業に積極的に参加してほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 スポーツの起源①:ギリシア時代のスポーツ;既にエジプトとメソポタミアにおいてスポーツは体育として行われていたが、ギリシアにおいてスポーツは文化として定着していく。 【第2回】 スポーツの起源②:中世における運動文化;ギリシア・ローマ時代を経て、体育・スポーツは最盛期から身体蔑視の身体観が主流となる中世へと以降する。体育的活動は、騎士道において僅かに継承された。 【第3回】 スポーツの起源③:ルネサンスにおけるヒューマニティの開花と身体性の復活;ルネサンスにより人間性が重視されるようになり、いわゆるヒューマニズムの源流が形成されていく。 【第4回】 スポーツの起源④:疾風怒涛の時代とスポーツ・ヒューマニティの開花;産業革命を契機とする自然科学・人文科学の発達のなかで、人間性がより強く意識されるようになり、スポーツとも結びついていく。 【第5回】 スポーツの起源⑤:スポーツクラブの発達とスポーツライフの確立;英国を中心にスポーツはスポーツクラブにより急速に発展し、このトレンドはやがてフランス・ドイツへと広がっていく。 【第6回】 社会化するスポーツ①:ナチス時代のスポーツ;第1次世界大戦以降オリンピックの復活はあったものの、ドイツの国家社会主義によりスポーツが政治的に利用されるという悲劇的状況が起こる。 【第7回】 社会化するスポーツ②:ドイツのトリム運動とスポーツ・フォア・オール;第2次世界大戦後の非ナチス化の時期を経て、ドイツでは文明病への対応策としてスポーツ・フォア・オール運動が発生する。 【第8回】 社会化するスポーツ③:スポーツ&ヘルス・フォア・オールのグローバル化;ヨーロッパから始まったスポーツ&ヘルス・フォア・オール運動はグローバルな流れとなり、現在に至っている。 【第9回】 社会化するスポーツ④:スポーツのグローバル化とメディア化;マスメディア(特に衛星中継)の発達によりスポーツはグローバル化し、エンターテイメント化した。 【第10回】 社会化するスポーツ⑤:スポーツの多様化;スポーツは生活圏域のあらゆるところで定着しつつあり、リゾートとしてのスポーツ、セラピーとしてのスポーツ、リハビリとしてのスポーツなど多様化している。 【第11回】 文化・芸術のスポーツ:スポーツは単に身体的パフォーマンスではなく、文化・芸術の領域へと拡大しており、例えばフィギュアスケート、新体操、古武道、流鏑馬など大きな広がりをみせている。 【第12回】 スポーツと社会:スポーツが生活化した社会と貧困な社会では、スポーツは全く異なる位相を有する。 【第13回】 スポーツとメディア:マスメディアの発達によりグローバルなイベントと化したスポーツは、今後どのような方向へ向かうのか。 【第14回】 総論① 【第15回】 総論②
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