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授業の内容(Course Description) |
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製造業や一般のサービス業の「商品」は、消費者の日常生活圏に持ち込まれて消費者の選択に委ねられるのに対し、観光の「商品」は、逆に、消費者(=旅行者)が日常生活圏を離れ、家を出てから観光目的地に滞在し、再び戻ってくるまでのすべての消費を内容としている点、大きな相違があります。 したがって、観光マーケティングは、観光旅行に出かける人を顧客とする旅行業者のマーケティングから、観光客を誘致したい観光地のマーケティング、観光地内に所在する宿泊産業や外食産業その他のサービス企業のマーケティング、さらには、旅行者が目的地に行くための交通産業のマーケティングまであって、それぞれが複雑に絡みあっています。 授業では、マーケティングという概念が、モノのマーケティングから出発し、サービス業に応用され、それがさらに観光協会のような非営利機関の組織目標の達成のための戦略・戦術にまで援用されるに至っていることから、マーケティングの基礎理論を概観し、ついで観光諸産業のマーケティングと観光地のマーケティングついて考察していきます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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後期「観光マーケティングB」では、観光分野のマーケティングが通常のモノやサービスのマーケティングとは大きく異なることを理解し、1)観光地のマーケティング 2)宿泊施設のマーケティング 3)旅行業のマーケティング 4)観光対象のマーケティングなどに関する基本的な事項を学びます。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験80%、平常点(出席)20%の配分で評価します。 出欠確認のための小テストを2回に1回の割合で不定期に実施します。この小テストは出欠確認のみならず、講義を補う予習復習の目的もあって実施するものです。小テストの成績は成績評価に関係しませんが、一部平常点に加味することがあります。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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*テキスト:適宜プリントを配布します。 *参考文献:1)保田 芳昭『マーケティング論 第2版』 2)浅井 慶三郎『サービスとマーケティング 増補版』 その他、授業において適宜紹介します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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マーケティングに関する図書、とくに事例研究の図書を紹介するので積極的に読んで下さい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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「観光マーケティングA」では、マーケティング発展の歴史的経緯と基礎知識を学習しました。その過程でサービス産業のマーケティング論を学び、交通・宿泊・外食・レジャー施設など、観光関係諸産業の成功事例や失敗事例などを取り上げました。 「観光マーケティングB」では、サービスのマーケティング一般と観光産業を構成する諸分野のマーケティング、および観光地のマーケティングを扱います。観光マーケティングA・Bを通じて、可能な範囲で映像を使用します。 授業の構成はおおむね以下のとおりとしますが、進行の状況によって変更することがあります。 【第1回】 *授業の方針と講義の概要 *講義「観光と観光産業の定義をめぐって」(他産業との相違を理解する) 【第2回】・【第3回】 *講義「サービスの構造」と「サービスのプロセス」 *事例研究 その1 サウスウェスト航空と格安航空会社の発展 【第4回】・【第5回】 *講義「旅行業と旅行業のマーケティング」② *事例研究 その2「航空パッケージツアーの誕生と発展」英国のホライズン・ホリデーズ 【第6回】・【第7回】 *講義「宿泊産業の種類とそのマーケティング」 *事例研究 その3「HISの物語」 【第8回】・【第9回】 *講義「観光施設のマーケティング」 *事例研究 その4「旭山動物園」「ハウステンボス」 【第10回】・【第11回】 *講義「観光地(デスティネーション)のマーケティング」(1) *事例研究 その5「加賀屋と和倉温泉」 【第12回】・【第13回】 *講義「観光地(デスティネーション)のマーケティング」(2) ・インバウンド国際観光のマーケティング 【第14回】 *日本の観光産業の将来とマーケティング 【第15回】 *後期総括
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