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授業の内容(Course Description) |
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かつて、日本企業は世界において二番手走者として欧米の後を追いかけ真似をして発展してきた。前を走る欧米走者の失敗を見て、その轍を踏まないように走っていればよかった。その時代は遠く過ぎて、日本企業の多くは世界の産業の先頭集団を走っており、真似ではない独創性を求められている。 経営史Iで学んだように、20世紀初頭に繁栄する米国ビッグビジネスが今日の日本そして世界の企業の原型である。経営史IIでは、その当時の米国から説き起こして、20世紀におけるいくつかの産業の経営史をみていく。さらに、IT(情報通信)と大量高速交通が地球規模で普及してボーダーレスの世界になった21世紀にいたるまでを、具体的な企業を取り上げながら学んでいく。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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米国に端を発する経済不況の中、学生諸君がともすると目標を見失いがちな今日、20世紀を生き延びてきた企業の経営者がとった判断と行動、不屈の精神のありようを自分の知識として蓄積してもらいたい。いつの時代にあっても、先人が直面する困難を克服していく事例をいくつもみていくことで、「諦めないで、くじけないで生きていく」ことを習得できるであろう。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業中に行う3回の小テストの合計で評価する。小テストは、授業の理解度を深める目的をもって4~5回目に一度を2回、15回目(学期最終回)に1回行う。点数配分は、それぞれ25点ずつとし、残り25点は出席点とする。小テストの実施日は、授業中に予め発表する。 出欠は、授業開始時刻から15分で締め切るので、遅刻をしないように留意してほしい。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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大河内暁男『経営史講義[第2版]』東京大学出版会、2001年
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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前期の経営史Iを履修していることが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 後期授業の進め方と前学期授業の復習 【第2回】 経営管理組織の類型とその発達史――職能部制と事業部制 【第3回】 分権的事業部制(1)デュポン社の多角化経営とP.デュポン 【第4回】 分権的事業部制(2)GM社の統合経営とA.スローン 【第5回】 自動車産業におけるフォード社とGM社 【第6回】 テイラーの科学的管理法とフォーディズム 【第7回】 大量高速交通の出現がもたらした市場の拡大と競争 【第8回】 大企業の新しい経営戦略(1)経営多角化 【第9回】 大企業の新しい経営戦略(2)多国籍企業 【第10回】 日本的経営の繁栄――トヨタイズム 【第11回】 発展途上国の工業化とガーシェンクロン・モデル 【第12回】 グローバル経営――IBM社とビル・ゲイツ(MS社) 【第13回】 世界の航空機メーカーの経営史 【第14回】 世界の航空会社の経営史 【第15回】 まとめと最終テスト
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