Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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国際公法B
(国際公法 I)
則武 輝幸
選択  2単位
【法律】 09-1-1210-0420-04

1. 授業の内容(Course Description)
 国際関係をより良く理解するためには、国際社会を規律する法規範、すなわち国際法(国際公法)を知ることが必要である。2003年度まで、国際公法の講義は、国際公法 I (2年次配当4単位)、国際公法II(3年次配当4単位)の2科目に分かれていたので、私担当の国際公法 I では、国際法の総論にあたる部分について講義していた。(ただし、個人に関する国際法および外交使節・領事・外国軍隊に関する国際法については、例年時間切れとなるため、3年次配当の国際公法IIに譲っていた。)2004年度より、国際公法 I は、国際公法 A(2年春期2単位)と国際公法 B(2年秋期2単位)、国際公法IIは、国際公法C(3年春期2単位)と国際公法D(3年秋期2単位)に分割されることになったので、今年度の国際公法Bでは、春期の国際公法Aを受けて、国際法の総論にあたる部分のうち、国際法主体としての国家、国家の構成要素、国家の類型、国家の成立と承認、政府の違憲的変更と承認、国家承継、政府承継、国家の基本的権利・義務、主権免除、国際機構、国家領域、国際化地域(国際河川、国際運河、南極など)、海洋、空、宇宙空間に関する国際法について講義することにする。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 国際法の基本的知識の習得を目指す。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験のみで評価する。中間試験やレポートは実施しない。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:『みぢかな国際法入門』 松田 幹夫 編(不磨書房)
『現代国際法講義(第4版)』杉原 高嶺・水上 千之・臼杵 知史・吉井 淳・加藤 信行・高田 映 著(有斐閣)
前者をメインテキスト、後者をサブテキストとして使用する。
―昨年度よりテキストを変更しているので、4年生の諸君は注意されたい。
  参考書:『判例国際法(第2版)』 松井 芳郎 編集代表(東信堂)
『解説条約集2008』 広部 和也・杉原 高嶺 編集代表(三省堂)
 その他、講義の中で適宜指示する。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 毎日、新聞の国際欄を読んだり、テレビニュースを見たりして、自発的に国際問題に対する関心を深めるよう、努力して頂きたい。
 おおむねテキストの順序に従って講義するが、随時、補足のためにプリントも配布する。講義の初日と最終日のみ出席するようないい加減な受講態度では、単位の取得は望めない。「先生の話はだまって聞きましょうね」、「勝手にお外に出てはいけません」とは幼稚園児が習うことである。幼稚園児「未満」の振舞いは、厳に謹んで頂きたい。途中で出て行くつもりなら、初めから来なくてよろしい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
 おおむね教科書の構成に従って、以下の順序で講義する。
 一昨年度までとは大きく構成が変わっているので、4年生の諸君は注意されたい。
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 国家①
  国際法の主体としての国家
  国家の構成要素
【第3回】
 国家②
  国家の類型
【第4回】
 国家③
  国家の承認
【第5回】
 国家④
  政府の承認
  交戦団体の承認
【第6回】
 国家⑤
  国家の承継
  政府の承継
【第7回】
 国家⑥
  国家の基本的権利・義務
  主権免除
【第8回】
 国際機構①
  国際機構の種類
  国際機構の歴史的発展
【第9回】・【第10回】
 国際機構②~③
  国連
【第11回】
 国際機構④
  専門機関
  欧州連合(EU)
【第12回】
 国際機構⑤
  国際機構と法
  非政府団体(NGO)
【第13回】
 領域①
  国家領域の構造と領域取得の権原
  国際運河と国際河川
  信託統治地域と非自治地域
  南極
【第14回】
 領域②
  海洋法の成立と発展
  内水・領海・接続水域・排他的経済水域・大陸棚
  公海・深海底
  群島水域・国際海峡
【第15回】
 領域③
  領空
  宇宙空間
 ただし、以上は大まかな予定であり、必ずしもこの通りに進行するとは限らない。