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授業の内容(Course Description) |
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今年度から、新たに法学部1年次の科目として、この「法学概論」が設けられた。これは、新入生の皆さんが法や法学についての基礎的な知識を取得し、法学部学生に求められるリーガルマインドを身につけるのに役立つことを目的としている。 皆さんは「法」というものにどのようなイメージをもっているだろうか。 法には人を強制するもの、拘束するものといったイメージがある。また、秩序維持や権力的支配の道具と捉えられることも多い。しかし、その一面、法は、私たちの人権を守り、弱者を救済するという役割をも担っている。法は、多様な側面を有しており、単純に捉えることはできないものである。 この授業では、定評のある田中 成明 教授の『法学入門』(有斐閣)をテキストに用いて、体系的に法学の基礎となる考え方や法システムに関する講義を行う。今学期には、テキストの前半部分で論じられている、法とはどのようなものか、法の果たしている機能、法と道徳の関係、法と正義の問題等の、法学の基本となる諸問題について、皆さんとともに考えてみたい。 このような議論は、ともすれば抽象的に流れがちであるので、ジュリスト「法律事件百選」から関連する事例を選び、法哲学的な論議に具体的な事件で肉付けをしていくつもりである。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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「法」というものの、社会における意義を理解することが目標である。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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原則として、定期試験により評価を行うものとするが、授業中に課題を出して皆さんの考えを述べてもらうこと等も検討しており、その場合は、その結果も評価に加味する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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田中 成明 著 『法学入門』(有斐閣) 参考書として、ジュリスト900号『法律事件百選』(有斐閣)を用いる。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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できれば、受講者からの質問・意見等に基づいて授業を進めていきたいと考えているので、皆さんの積極的な授業への参加を期待する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション―法のイメージ 【第2回】 法のしくみ 【第3回】 どのような法があるか―法の存在形式 【第4回】 法の種別 【第5回】 法の機能 【第6回】 世界の法系 【第7回】 日本の法文化 【第8回】 日本人の法意識 【第9回】 法と強制 【第10回】 刑罰の本質 【第11回】 法と道徳(1)―法と道徳の関係 【第12回】 法と道徳(2)―法的パターナリズム 【第13回】 法と正義(1)―正義の多義性 【第14回】 法と正義(2)―現代正義論 【第15回】 今学期の総まとめ
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