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授業の内容(Course Description) |
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人口減少に加えて少子高齢化に直面するわが国が高い経済水準を維持するためには、国民一人ひとりが効率をよくして生産性を高めなくてはならない。そのためには、法律を単なる管理の道具として理解するのではなく、経済活動を円滑にする潤滑油として積極的に活用することが肝要である。
本講義は、わが国法学界の最高峰の一人である我妻榮先生の名著『民法案内1・私法の道しるべ』をテキストとして、法律の基本原理と仕組みを理解し、その学び方を習得することを目的とするものである。
テキストの表題を超えて、公法を含めた法律学全般を対象とする講義であるが、特に私法分野に関心のある者の導入学習として最適であり、単に民法のみならず、商法・会社法・知的財産権法・労働法・経済法・国際取引法等ビジネスに関連する法律への『道しるべ』を自認するものである。
ビジネスの社会に雄飛しようとする『企業家精神』をもった多くの学生諸君の受講を期待する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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第一段階として、法規範の特徴、特に道徳・しきたりなどとの類似点・相違点を理解すること、第二段階として、公法と私法並びに成文法と不文法の関係を体系的に習得すること、第三段階として、具体的な事例に対する法律の適用の仕方を身につけることを目標とする。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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14回目(1月12日)の講義中に実施する予定のテストの成績により評価する。詳しくは第1回講義で説明する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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我妻 榮著、遠藤 浩・川井 健補 訂『民法案内1 私法の道しるべ』勁草書房
なお、必要に応じて追加資料を配布する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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講義中に条文を引用し確認させるので、必ず『六法』とテキストを持参すること。『六法』は、テストの際にも「持込み可」とするので、絶対に必要であり、参照条文の十分に付記されたものが望ましいが、持運びの利便性を優先する場合には、『セレクト六法』レベルでもよい。なお、必要に応じてプリントを配布するが、これはテキストを補完するものであり、代替するものではない。
講義中の入退室と私語は、講義の進行と他の学生の聴講の妨げとなるので、厳に慎むこと。
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6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
法源
【第2回】
成文法
【第3回】
慣習法・判例法・条理
【第4回】
法解釈の技術
【第5回】
一般的確実性と具体的妥当性の調和
【第6回】
時に関する法律の効力
【第7回】
人・場所に関する法律の効力
【第8回】
法律の効力とはどういうことか?
【第9回】
強行規定と任意規定
【第10回】
法律を適用する形式
【第11回】
裁判と調停
【第12回】
日本人の法意識
【第13回】
最近の注目すべき判例
【第14回】
最近における法律の改廃
【第15回】
秋学期のまとめ
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