1. |
授業の内容(Course Description) |
|
最近のサブプライムローン問題に端を発する経済危機にみられるように、金融・証券市場は、好むと好まざるとにかかわらず、経済全体に大きな影響を及ぼす存在である。 この講義では、金融・証券市場とこれに関する法体系を概観した後、その中核をなす金融商品取引法の解説を行うが、この法律は、証券会社等を監督するための「業法」にとどまらず、市場の法として幅広く一般企業、一般投資家にも及ぶものであり、また、内容的にも、会社法、民商法、刑法、行政法など様々な要素が複合したユニークなものとなっている。 法律のボリュームが大きいため、特講Aでは、ディスクロージャー、TOB、5%ルールまでの部分を取り扱うが、全体を理解するため、特講Bと通して聴講することが望ましい。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
条文が難読であるので、その細部よりも、法の仕組み、概念、考え方の基本を理解できるようにすることを目標とする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末試験を基本とするが、出席と理解度の確認のための小テスト等を加味する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:黒沼悦郎『金融商品取引法入門(第3版)』(日経文庫、2009年3月中旬刊行予定) 必要に応じプリント等で補足する。 参考文献:河本一郎・大武泰南『金融商品取引法読本』(有斐閣、2008年12月) 川口恭弘『現代の金融機関と法(第2版)』(中央経済社、2007年9月)など
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
日々のニュースや解説に常に関心をもって接すること。 特にこの分野は法改正等が頻繁(平成20年に改正があり、さらに今国会にも改正法案が提出される予定)であり、書物だけでフォローし切れないところがあるので、授業には出席すること。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 金融・証券市場と関連する法律の概観 【第2回】 金融商品取引法の概要 【第3回】~【第5回】 有価証券とデリバティブ取引 【第6回】・【第7回】 登場する主体(投資家、金融商品取引業者など) 【第8回】~【第11回】 ディスクロージャー制度 【第12回】・【第13回】 公開買付け制度(TOB) 【第14回】 大量保有報告制度(5%ルール) 【第15回】 まとめ、この時点までの法改正の動き等 《注》進行状況に応じて前後することがある。
|