1. |
授業の内容(Course Description) |
|
【『死線を越えて』を読む】 大正期最大のベストセラー『死線を越えて』で知られる賀川 豊彦(1888−1960)は、貧民救済、労働組合運動、関東大震災救援、農民組合運動、生活協同組合運動、平和運動などに取組んだ社会事業家・小説家・詩人。近代資本主義下におこる貧困、戦争、環境破壊などの諸矛盾を、助け合いの社会システム構築により乗り越えようとした。 金融危機や貧困が再び大きな社会問題として浮上している今日、『死線を越えて』を読むことは、日本近代史の光と陰を描き出し、現代社会を再考する上で貴重な示唆を与えるだろう。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
大正期のベストセラーの読解を通じ、戦前と戦後の日本社会・日本文化の課題を比較考察する視座を養う。また、授業内で学んだ内容をふまえながら、自らが独自に考えた感想を交え、1000字以上の考察をまとめる力を身につける。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席(55%)、期末試験(45%)を目安とする。期末試験の方法は、受講者数をみて講義が3分の1程度進んだ段階で決定し、テーマは試験の2~3週間前に発表する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト *毎回用いるため必ず購入のこと 『死線を越えて』鳴門市賀川豊彦記念館、2003.
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
授業にきちんと出席し、購読内容に集中して理解を積み重ねていくことが必要である。また、ノートをとることが肝心である。これらの用件が満たせない場合、単位取得はできない。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】・【第2回】 「大ベストセラー『死線を越えて』を読む意義」 【第3回】・【第4回】 「『死線を越えて』の青春・病」 【第5回】・【第6回】 「『死線を越えて』の恋と性」 【第7回】・【第8回】 「『死線を越えて』の社会」 【第9回】・【第10回】 「『死線を越えて』の愛」 【第11回】 ~【第13回】 「『死線を越えて』の人々」 【第14回】・【第15回】 「期末試験」「期末試験答案返却・全体講評」 *以上の順序は入れ替わる可能性がある。また、研究や社会状況、国際情勢の変化に応じて、新しいトピックを加えることがある。
|