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授業の内容(Course Description) |
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考古学の主な研究対象は住居・墓穴などの遺構、土器・石器などの遺物である。これらの資料を記録し、活用するためにはさまざまな知識と技術を必要とする。そこで実際の資料をもとに、それらの知識と技術を学ぶことを本科目の目的とする。
秋期では、主として縄文土器模様原体復元・拓本を行なう。縄の復元ではかなり複雑な操作が必要である。これによって土器の製作から廃棄にいたる過程で付与された諸属性を抽出し、そこから縄文人の思考・行動の内容を復元する。この操作は、縄文土器ならず、すべての遺物に共通する検討方法であることを学んでほしい。春期の石器の検討方法も同様である。また、野球指導書を読んでも、すぐにヒットを打てないように、道具の製作・使用技術は身体の記憶・知識(言語では置き換えが困難な記憶・知識)を基盤としていることを理解してほしい。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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土器の基礎的観察方法、情報の抽出表現方法を学ぶ。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業計画の項目で作成した資料はすべてレポートとして提出し、出席とレポートをもって評価する。出席しないと、レポート作成は不可能である。縄文原体である「縄」の撚りかたは、本で読んでも口頭で伝えられても、マスターできるひとはまずいない。まさに視覚と指で学ぶものである。評価の割合は、出席50%、レポート50%とする。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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資料を配布するので、特にテキストはない。
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5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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実習室からの遺物や原図の持ち出しは厳禁である。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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次の項目を設けるが、天候の状態などで順番を変える場合がある。
【第1回】
帝京大学周辺の資源探索(縄文原体材料、ドングリ、アケビ他)
【第2回】
土器製作技術、成形・整形技術の復元(1)
【第3回】
土器製作技術、成形・整形技術の復元(2)
【第4回】
縄文原体作成(1)
【第5回】
縄文原体作成(2)
【第6回】
縄文原体作成(3)
【第7回】
縄文原体作成(4)
【第8回】
施文技術の復元(1)
【第9回】
施文技術の復元(2)
【第10回】
土器片拓本・断面図実測(1)
【第11回】
土器片拓本・断面図実測(2)
【第12回】
土器片拓本・断面図実測(3)
【第13回】
土器の登録・計測・実測(1)
【第14回】
土器の登録・計測・実測(2)
【第15回】
土器の登録・計測・実測(3)
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