Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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文章表現 I 小林 昌二
選択必修  2単位
【史】 09-1-1340-1715-11

1. 授業の内容(Course Description)
 「どうすればよく読めて書けるようになるか。(中略)学生・社会人のために著者が六十年の研究を傾けて語る日本語トレーニングの手順」をうたった大野晋氏の著作をテキストにします。
 この授業はテキストの順を追い、回を重ねていきます。この間に、練習問題に一緒に取り組み、勉学や仕事に困ることのない日本語の文章表現の上達に取り組むことを主な目的にします。
 手紙文や実用文などの目的に即した的確な文章作成や自己の考えを論理的に伝える口頭発表の基本的な力量がついてくると期待できます。
 目的の達成のためには、予習や復習をすすめ、辞書や事典によって調べ、また図書館などで資料を探索・収集し、これらを熟読吟味して、発表や小テストに生かすようにつとめてもらうことも目的です。
 なお参考文献は、同じ著者の年来のフィールドワークが加わった、本テキストをより深く理解し、興味を広げて日本語の起源についてを知ることのできるものです。この参考文献の「まえがき」や「あとがき」を、授業中に行う小テストの縮約課題に用い、原稿用紙で解答し、その使い方や校正のマナーなどを修得することも目的になります。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ① 文章の縮約ができること
 ② 日本語の簡潔な歴史や特色を理解していること
 ③ 日本語の特色を練習問題を通して身につけること
 これらの基本の達成を小テストで確認していきます。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 第1に、各授業での口頭発表や他の受講生との対話や議論が適切な文章表現か、授業出席点として50%、
 第2に、4回の小テストにおいて、問題への解答が的確な内容であるか、このでき如何を50%、計100%の方法で成績を評価します。 
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 【テキスト】 大野 晋『日本語練習帳』(岩波新書NO596、700+税)
 【参考書】 大野 晋『日本語の源流を求めて』(岩波新書NO1091、820+税)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 テキストを入手し、持参して受講下さい。予習は、受講に際して、授業計画に従って扱う該当個所を読了して参加する必要があるからです。復習は、小テストを第4回、第7回、第11回、第15回の計4回にわたり行いますので、そのためにもいつも心がけて行って下さい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 テキストのまえがきやあとがき、目次から特色や構成を理解する。授業について順を追って回を重ねどう授業を進めるか、予習復習の必要を提示する。
【第2回】
 「I 単語に敏感になろう」の「意味の違い目を見る」「ものをとらえる角度によって単語」を取り上げ、練習問題からも理解を進める。
【第3回】
 「漢語は二つの意味の組み合わせが基本」「漢字の一字一字を見る」「似た単語の違っている部分に目を向ける」「「漢字と日本文化」「カタカナ語の増大」
【第4回】
 第一回小テストを行う。第2回と第3回までにテキストの範囲で出てきた練習問題の中から出題する。 このテキストの練習問題の復習が必要である。
【第5回】
 「II 文法なんか嫌い」の「ハとガ」「ハの働き①」「ハの働き②」「長いセンテンスは明晰さをそこなう」「『Aは』の下は一度切れる」「ハの働き③」
「ハの働き④」
【第6回】
 前回に続いて、「ガの働き①」「ガの働き②」「ハとガを同じと思わないこと」の三項を扱い、練習問題を解いていく。
【第7回】
 第二回小テストを行う。第5回と第6回でのテキストの範囲で出てきた練習問題の中から出題する。テキストの練習問題の復習が必要である。
【第8回】
 「III 二つの心得」における「『のである』『のだ』を消せ」「『が』を使うな」を扱い、考える。
【第9回】
 「IV 文章の骨格」に-おける「文章の実習」「文章を縮約する」「1400字を400字に」を扱う。練習26に該当する別に用意した文章(参考文献のあとがき)による応用問題について練習する。
【第10回】
 前回に続いて、「文章の弱点が見えてくる」「400字を200字に」「段落ごとの要旨をとる」「要旨をさらにしぼる」「筆をとる前に」「センテンスの長い文章」「文体としての長いセンテンス」を扱う。
【第11回】
  第三回小テストを行う。参考文献の「まえがき」を400字に縮約するなどを行う。
【第12回】
 「V敬語の基本」における「人称代名詞の区分け」「三人称の代名詞」「二人称の代名詞」「一人称の代名詞」「ウチとソトの区別」と練習問題を扱う。
【第13回】
 「一人称を二人称に転用する」「人称代名詞の甲乙体制」「人間関係をどう把握しているか」「谷崎の小説から」「『話しかける相手』と『二人称の違い』」
【第14回】
 「丁寧語ーデスとマス」「尊敬語」「ナル、アルと尊敬語」「侮蔑語」「謙譲語」「尊大語(いばり語)」「授受の動作の敬語」「美化語」を扱う。
【第15回】
 第四回の小テストを行う。第12回、13回、14回の練習問題から出題する。