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授業の内容(Course Description) |
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「健康」を欲すれば「病気」の勉強が不可欠であるように、「平和」を欲すれば「戦争」の勉強が不可欠である。戦争の勉強は、戦争回避の叡智(ノウハウ)を学ぶのである。また、戦争史は軍事史、戦闘史などとどう違うのか、また、時空(洋の東西、時代の違い)を越えて戦争の本質、戦争の役割と功罪、国家社会との関連や影響等は如何なるものであったか、に関して、いくつかの実例をもって学習し、帰納的に教訓を抽出したい。今次の講義は「日本の戦争史」を学ぶ。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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日本の古代国家建設時から軍隊がどのような背景と経緯でできたのか。戦争に関するいくつかの事例を通じて、軍隊の建設、その意義と功罪、並びに、戦争とは何か、戦争は何故起こるのか、戦争の特質、戦争の意義と役割等に関する知識を得る。と同時に、史的考察を通して今後将来の国家運営や個々人の戦争観、生き方に関する見解をもって欲しい。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席は重要であり、毎回出席を取る。授業時間内の適時にミニテストを行なうと同時に、最終的にテストをもって総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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① テキストは授業時間に配布する。 ② 参考文献: * 奥村房夫『近代日本戦争史 I−IV』(同台経済懇話会編、平成7年) * 古屋哲夫『日中戦争』(岩波書店、1993年) * 波多野澄雄『大東亜戦争の時代』(朝日新聞社、昭和63年) * 五百旗頭真編『日米関係史』(有斐閣、2008年)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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日本国内における戦争の歴史に関する知的活動は、往々にして鈍く、つまみ食い的で学術性が乏しい傾向がある。これは国際社会において日本が応分の責任を果たす資格を自ら放棄しているに等しい。戦争に関する知識に無関心では国際的な責任ある立場を無視しているに等しいからである。将来の日本社会の「平和、戦争及び戦争史に関する知的論議の活性化」に生かして欲しい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーシヨン(授業目的、到達目標、講義内容等の説明) 戦争史を学ぶ意義、戦争史の意義。戦争史の範囲等 【第2回】 日本の古代から近世における軍(軍隊) 【第3回】 幕末日本の避戦と開国 【第4回】 明治政府による新国軍の建設、国務大権と統帥大権 【第5回】 台湾出兵及び西南戦争 【第6回】 日清戦争の背景、原因、戦闘、結果及び日清戦争の歴史的意義 【第7回】 日露戦争における背景、原因、日英同盟等 【第8回】 日露戦争における戦闘、結果及びポーツマス条約、日清条約等 【第9回】 日露戦争後の日本の国家経営と帝国国防方針等 【第10回】 第一次世界大戦における日本の参戦 【第11回】 海軍建艦競争とワシントン海軍軍縮問題 【第12回】 陸軍の軍縮とその影響 【第13回】 ワシントン体制打破の動きと日本の国家経営(東方会議、軍部の台頭) 【第14回】 ロンドン条約と海軍軍縮問題(統帥権干犯問題、国家改造運動) 【第15回】 国内テロ・満州の危機と日本陸海軍
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