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授業の内容(Course Description) |
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「障害」・「能力」をめぐる新たなICFモデル(WHO、2001)によると、障害を持つ、持たないに関わらず、心身機能に応じたケアを受け、活動と参加の権利が保障されることによって、健康が保たれると言う。そうした新たな健康観に立ち、対象者へのケアを実践する専門職の1つが心理職である。 本授業では、発達障害に焦点をあてる。そして、当事者へのケアの目的は、他者との互恵的な関係のもと、主体的に社会参加し、活動する権利が保障されることにあると考え、それを実現する手だてについて考える。授業では、発達障害に対する3つのアプローチを概観し、それぞれの観点の持つ特徴をふまえ、発達障害への理解を深めていく。家族への支援についても考える予定である。 授業は、主に演習方式で進める。演習では、輪番制でテキストおよび学術論文の担当箇所を報告し、履修者全員でディスカッションすることにより、各自の問題意識を明確化していきたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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発達障害について、教育、脳科学、社会精神医学の観点からのアプローチを相互比較することにより、その実像の理解のされ方が視点とどのような関係性を持つのかについて学ぶ。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業に対する積極的参加、レポート、出席状況などを総合して評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:茂木俊彦 2007 『障害児教育を考える』岩波新書 榊原洋一 2007 『脳科学と発達障害』中央法規Curaシリーズ 高岡健 2007『自閉症論の原点』雲母書房 参考文献:柘植雅義・井上雅彦編著 2007『発達障害の子を育てる家族への支援』金子書房
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業の進行状況によっては、変更もありうる。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 DSMに描かれる自閉性障害と実態のずれ:自閉症児の表現としての描画 【第3回】~【第8回】 発達障害へのアプローチ その1 教育の観点から 【第9回】~【第13回】 発達障害へのアプローチ その2 脳科学の観点から 【第14回】・【第15回】 ディスカッション 【第16回】~【第26回】 発達障害へのアプローチ その3 社会精神医学の観点から 【第27回】~【第29回】 家族への支援 【第30回】 まとめと課題検討
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