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授業の内容(Course Description) |
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現代の日本社会では実に様々な死に関連した問題が起こってきている。ターミナル・ケアや尊厳死といった終末期のケアに関わる問題、脳死や臓器移植といった倫理に関わる問題、癌やHIVといった死に密接に結びついた病の問題、そして自殺の問題など実に多様である。またこれらの問題の背後には医療技術の進歩による慢性疾患の増加、核家族化による地域との結びつきの欠如、希薄化した生命に対する倫理観などの多様な要因が存在すると指摘されている。 本講義では、現代社会における様々な死に関する問題について紹介した上で、自らの死までの生き方について実践的に学んでいく。とくに受講者数にもよるが、授業では講義とともに受講生による発表、グループワーク等を活発に行う予定である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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死にまつわる様々な問題についての諸研究や実践について学ぶことで、自らの死までの生き方について考える力を養うことを目標とする。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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学期末に試験あるいはレポートを課す。 また授業中の発表やグループワークへの積極的な参加、さらに簡単な小レポートや課題の提出を求める。 評価はこれらと出席状況等を総合的に判断し行う。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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参考文献:デーケン. A.(2001)『生と死の教育』岩波書店 ニーメヤー. R. A. 鈴木 剛子(訳)(2006)『〈大切なもの〉を失ったあなたに―喪失をのりこえるガイド』春秋社
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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本講義は「死」というデリケートなテーマに取り組むものである。したがってこのテーマに対し高い関心を持つことができ、また授業中に積極的にコミュニケーションできる能力が必要である。さらに倫理的に適切な態度が強く求められる。 なお当然のことながら、授業中の私語・携帯の使用・途中退席など、授業を妨害する行動は厳禁である。 発表やグループ・ワークでは相応の準備が求められるので、積極的な学生の受講を期待する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション:死を学ぶことの意味 【第2回】 死のイメージ 【第3回】 死の不安 【第4回】 死の受容と宗教 【第5回】 死別による悲嘆(1) 【第6回】 死別による悲嘆(2) 【第7回】 自殺 【第8回】 死にゆくプロセスと告知 【第9回】 葬儀 【第10回】 脳死と臓器移植 【第11回】 尊厳死と安楽死 【第12回】 ホスピスとターミナル・ケア 【第13回】 避けられるかもしれない死、避けられない死 【第14回】 人生の締めくくりと遺言 【第15回】 総論:よりよい生を目指して
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