1. |
授業の内容(Course Description) |
|
この授業は、現地に直接調査した中国の伝統的な木版画の「年画」制作や木版画の「年画」の物語、正月の行儀を通して中国民間の風習・習俗から中国人の伝統的な思想について紹介することが目的である。 年画は中国の年間行事が深く関係している。それは、春節(正月)だけではなく、年間の重要行事である正月15日の上元、5月5日の端陽、8月15日の中秋などに、入れ口の門や室内の壁など室内外に貼って、駆邪、安全、納福、慶喜、長寿、迎祥などを祈念する信仰的な木版画である。「年画」は、神仏、物語、めでたい図柄や文字などを表現している。それには、中国の人びとの素朴な願いが込められている。そして、「年画」という木版画として中国の伝統的な思想、民俗文化を表わし、装飾品として室内外に飾られた。中国の伝統的な民間の木版画と民俗芸術文化として、その後の人びとにも継承されてきた。 さらに、蘇州の「年画版画」などは、徳川時代には長崎唐人屋敷などに船で運ばれ、日本の浮世絵にも大きく影響を与えている。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席状況と授業態度、レポート、プレゼンテーションを総合的に評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
講義内容の要約プリントなどを配布し、それに沿って講義を進める予定。参考文献などについても授業のなかで説明する。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
中国切り絵の創作が含まれるため、受身ではなく、積極的に自らの豊かな感性を発揮し、手作業の中国切り絵の創作によって異国文化を理解しながら大いに楽しんで欲しい。期末に大學で手作業したミニ『中国切り絵展』を開催する。授業内容の進め方によっては週の授業内容の順番が変わることがある。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 中国人にとっての「年」の物語、年画の由来と意味、中国の正月の行事と年間の祭り。 【第2回】 最早の紙の発明による、西漢(AD206−8年)の“霸橋紙”から蔡倫の「祭候紙」について。 紙と印刷、年画などの関係。 【第3回】 中国各地域の年画の特徴と俗称と発展、中国切り絵と年画の関係など。手作業の中国きり絵の制作。 【第4回】 楊家埠木版年画の門神年画の「神荼」と「鬱塁」という兄弟の物語。手作業の中国きり絵の制作。 【第5回】 唐代(618~907年)「秦瓊」と「敬徳」の二人の名将軍の「門神」年画の意味物語。手作業の中国きり絵の制作。 【第6回】 入り口の門に関わる手作業の中国きり絵の制作。 【第7回】 入り口の門に関わる手作業の中国きり絵の制作。 【第8回】 楊家埠の竃年画の由来と行事、竃年画の意味物語と切り絵の関係。手作業の中国きり絵の制作。 【第9回】 竃年画に関わる「掛箋・また過門銭(掛銭・掛箋・吊箋と称する)」の手作業の中国きり絵の制作。 【第10回】 竃年画に関わる「掛箋・また過門銭(掛銭・掛箋・吊箋と称する)」の手作業の中国きり絵の制作。 【第11回】 「鐘馗」の「判官斬燕」など年画の意味物語。手作業の中国きり絵の制作。 【第12回】 文門神年画の「五子登科」などの年画の意味物語。手作業の中国きり絵の制作。 【第13回】 楊家埠木版年画の[六畜興旺]の家畜門神年画と農民たちが自分で文字を筆書きした「六畜興旺」と「福」赤い符について。手作業の中国きり絵の制作。 【第14回】 レポートと手作業した中国の切り絵の作品の展示会用のパンネルでプレゼンテーション。 【第15回】 手作業した中国の切り絵の作品を大學でミニ展示(展示期間は検討中)。
|