Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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アジア文化と社会2 鳥居 千代香
選択  2単位
【現代ビジ】 09-2-2120-0377-02

1. 授業の内容(Course Description)
 アニメ、マンガ、ファッション、アート、コンテンポラリーダンス、アジアンポップスなどポストモダンの芸術、美術、音楽の分野で、アジアはある種の一体感をもち、またアジアのダイナミズムは、多くの分野で世界をリードする力をもちつつある、といわれています。「今、ほとんど、歴史上はじめて、アジア、とりわけ、日本、韓国、台湾、中国の沿海州を中心とする都市部の若者の間に、ある種の文化的共通意識が育ちつつあり、アジアの若者たちは、政治的国境を越え、経済的障害を乗り越えている」と国際交流基金の小倉氏は語っています。
 アニメの中には、日本の伝統的自然観が潜んでいて、それはこれからの地球の環境問題解決の一つの鍵を提供するものともいえ、機械やロボットを人間の体の延長と考える日本人の感覚は、21世紀の人間社会のありかたに、伝統的ヨーロッパの観念とは違う考え方を注入するものともいわれています。
 この授業はアジアの文化、家族・人間関係について社会・文化人類学的・社会学的な比較を取り入れ、今日、アジアでは中国とインドに国際的な注目が集まっていますが、東アジアや南アジア諸国とともに東南アジアや西アジア各国の政治・経済・情報・社会・宗教・ジェンダー・歴史などにについて紹介をします。アメリカ、ヨーロッパ、南太平洋諸国、アラブなどとくらべてみて、「アジアの伝統と考え方の世界規模での普遍化は可能か」も考えていきます。
 授業ごとに各種のDVDなどを使って理解を深めます。わかりやすい、楽しい授業です。

2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 多元的な課題を対象としていますので、みなさんが履修する多くの科目と関連しています。日本・アジアを中心にして、ヨーロッパやアメリカ、世界について学びます。「日本を見直した、ためになった、面白かった」と感じられる授業をめざします。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席点・平常点・学期末レポート。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは買う必要がありません。授業ごとに教師が作成したレジュメ・プリントを配布します。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 ・プリント配布が多くなる予定で、家に持って帰り学期が終了するまで保管しておきましょう。
 ・理解を深めるためにアニメや各種のDVDなどの視覚教材も使用します。
 ・こういう話を聞きたいというテーマがあればリクエストをしてください。
・重大ニュースがあったときにはそれも授業に取り入れます。

6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 日本の森とヨーロッパの森 ~ 『となりのトトロ』をもとに
【第3回】
 アマルティア・セーン(1998年ノーベル経済学賞受賞)とインドの発展
【第4回】
 アウンサンスーチー(1991年ノーベル平和賞受賞)とミャンマー(ビルマ)
【第5回】
 シリン・エバディ(2003年ノーベル平和賞受賞)の闘いとイラン&イスラム
【第6回】
 ムハマド・ユヌス(2006年ノーベル平和賞受賞)とバングラデシュのグラミン銀行
【第7回】
 人気の台湾とモンゴル ~ チンギス・ハーン
【第8回】
 スリランカとタイ&東南アジア諸国と世界一幸せな国といわれるベトナム
【第9回】
 南アジアや世界の子供たち ~ それでも生きる子供たちへ  WE ARE THE WORLD
【第10回】
 結婚と寡婦をめぐって~南太平洋諸国・北欧・ケニア・イスラム諸国・インド比較
【第11回】
 受難の国カンボジア
【第12回】
 トルコ・チュニジアを中心にエジプト・サウジアラビアについて
【第13回】
 マレーシア・シンガポール・インドネシア・多様な文化を受容したフィリピン
【第14回】
 「日本人のしきたり」・「イスラム教徒の祭礼」
【第15回】
 年頭の日本・アジア・世界情勢