Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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文章表現B 天川 由記子
選択必修  2単位
【経営】 09-2-2110-0698-12

1. 授業の内容(Course Description)
 どんなふうに文章を書いたらよいか、悩んだ時はまず、誰に対して書こうとしているのか、を考えてほしい。「文章表現C」では、就職、面接、レポート、手紙など、これから社会人として大きくはばたこうとしている学生に必要なさまざま場面を想定し、幅広く文章を書くという基本的な知識を身につけてもらうことを目的としている。文章表現Dでは、Cで学んだ基礎をもとに、さらに飛躍するために、文章を書くというトレーニングを重視していく。文章は書かなくては磨きがかからない。いろいろなテーマの文書を書くという作業を面倒に思わず、楽しんで文章を書いてもらいたい。そして、セミスターの終りには、文章を書くことが楽しくなることを目的としたい。
 「書く」ことは、「話す」ことと並んでコミュニケーションの根幹をなす行為であるため、IT社会の今日でも、「書く」ことは避けられない。これからの社会を生き抜いていくためにも、自分のメッセージを相手に正確に伝えられることが社会では強く要求されていることを忘れないでもらいたい。
 毎週、異なるテーマで課題について書くという作業は、春期のとおりだが、秋期は、春期を基本に、さらにステップアップしていく。特に、秋期は、就職活動を重点的に意識して、就職試験にも役立つような課題にしていく。
 学生は、教員と考え方や主張において迎合する必要はない。自分の考えをきちんと論理的に展開できれば、たとえ意見が異なっても歓迎する。私はNHKとテレビ東京のアナウンサーとして10年以上勤務し、また、現在も茨城放送のレギュラーコメンテーターや週刊文春などにも論文を定期的に執筆している現役のジャーナリストでもある。マスコミに就職を希望する学生の個別指導も歓迎する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 まずは、就職試験を念頭に、履歴書とエントリーシートが満足いくように書けるようにする。その上で、社会人になってから困らないように、報告書、出張報告書、企画書などが書けるようにする。就職試験のための、小論文に力を注いで、1学期内で、平均10作品程度(800字)を書くことを目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席を最重視する。出席と日常の授業参加と課題提出で、客観的に総合評価する。学生の積極性を評価するため、学生各自が関心のあるテーマ等について、任意に書いて提出したリポート等も加点対象とする。「書く」作業が中心のため、定期試験も、小論文を書く作業となる。書く作業がメインなので、3分の2以上の出席が要求される。5回以上の欠席した場合は、理由のいかんにかかわらず、単位認定はしない。また、追・再試も5回以上の欠席がある場合は、受験資格がないものとする。1回の出席を10点満点で評価。試験は、100点満点で小論文。(800字以上)試験は、持ち込み何でも可。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは、指定しない。必要に応じて、プリントを作成し、配布する。毎回、たくさんのハンドアウトを使用するので、毎回ファイルにして持参されたい。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 提出物は、次回の授業までにすべて添削して返却する。次の提出物で同じ間違いを繰り返さないための参考にしてほしい。そのためにも、提出物のしめ切りは必ず守ること。文章は書くことが大切なので、課題以外にも文章を書くことに積極的に取り組んでもらいたい。ノートを取ることが大切。ノートを必ず持参して出席すること。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業の進め方。ノートの取り方。成績の付け方等の説明。時間がもったいないので、2回目以降の授業では、同じ説明は繰り返さない。単位認定を望む学生は、必ず第1回目から出席されたい。
 文章をつくる基本−「5W1H」、改行、句読点、符号、漢字使用、「ぼかし言葉」を使わない等。
 課題−春期に学んだことをベースに、当日出す課題で書く。(400字)
【第2回】
 作文と小論文−作文と小論文の違い
 課題−作文を書く。(400字)
【第3回】
 文の組み立て方と論の展開の仕方−文の構成、論の展開の仕方と主張、論理性と説得力、論証等。小論文を書くために必要な知識を実際の小論文をいくつか参考に身につける。
【第4回】
 小論文を書いてみる。−いくつかのテーマの中から、課題小論文を実際に書く作業を行なう。800字程度。就職試験を意識したテーマ設定を行なう。
【第5回】
 レポートの書き方−テーマ設定、リサーチ、組み立てと構成、結論、引用・参考文献。実際のレポートを使って、批評し、レポートの書き方を具体的に学ぶ。
【第6回】
 レジュメの書き方−「概要」という意味で、小論文を書く上でもレジュメの作り方を知る必要がある。
 課題−本を読んで要訳することで論旨を正確に読みとる力がつく。(400字)
【第7回】
 卒業論文の書き方−論文作成の作法、テーマ設定、論証、引用、形式等。
【第8回】
 インターネットと検索の仕方−リサーチに役立つ情報検索。いくつかのテーマごとにインターネットを使って検索してみる。
【第9回】
 手紙・電子メールの書き方。
 課題−便箋を使って、手紙を書く。
【第10回】
 言葉を選ぶ−誤字は論外として、論文にふさわしい言葉と用語について。
【第11回】
 エントリー・シートと就職試験−エントリーシートは就職試験の最初のハードル。履歴書とあわせて、就職活動に効果的な文章表現を取り上げる。
 課題−エントリーシートと履歴書を書いてみる。
【第12回】
 自己アピールの仕方−就職試験を前提に、文章、口頭でどのように自己PRをしたらよいか、自己表現の仕方について。
【第13回】
 小論文を書く−基本知識を身につけたところで、もう一度、小論文を書いてみる。
【第14回】
 まとめと試験課題発表。
【第15回】
 まとめ・定期試験(持ち込み可)