Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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日本の財政 II 加藤 新一
選択  2単位
【観光経営】 09-1-1110-0147-20A

1. 授業の内容(Course Description)
 財政とは政府の経済活動であり、この講義では日本の財政について、主として中央政府(国)を対象として取り扱う。
 現代日本の制度では、憲法の定めによって、財政を処理する最高の権限は国民の代表が構成する国会に属している。納税者である国民はその代表を通じて財政に関することがらを最終的に支配する権限を有しているのである。政府は、この制度のもとで財政に関する具体的な事務を執行する権限を付与されているという関係にある。現実には、財政に関するさまざまな制度は複雑であり、本来はその主体であるはずの国民からは縁遠いところで動いているという感覚をもって受けとめられることがしばしばである。
 財政の制度が複雑であることは、国民が公平に租税を負担し、その租税を正確に運用していくためには不可欠であるという側面もある。この授業では、現実に複雑である日本の財政のしくみと機能をできるだけわかりやすくかつ正確に講義していくことを目的とする。
 秋期においては、経費のうち公共事業など、租税について、財政赤字問題、財政投融資などを扱う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 納税者の立場から財政との関わりを学び,主権者である納税者としての自覚を獲得すること.
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 試験の成績と出席状況を総合して評価する.原則として毎回出席をとる.試験の実施方法(定期試験の有無,小テストの有無)については開講後,履修登録数などを考慮して決め,授業で告知する.
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストはとくに定めない.
 参考文献:重森 暁他『BASIC現代財政学[新版]』(有斐閣)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 出席し,ノートをしっかりとりながら聴講すること.黒板の坂書の書き写しのみでは不充分と心得ること.
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 社会資本整備と財政(1):社会資本整備と政府の任務
【第2回】
 社会資本整備と財政(2):道路をめぐる財政問題
【第3回】
 社会資本整備と財政(3):新幹線をめぐる財政問題
【第4回】
 教育と財政:義務教育費国庫負担金と私学助成
【第5回】
 租税の基本理論:財政民主主義と近代租税
【第6回】
 日本の所得税(1):制度と課税方式
【第7回】
 日本の所得税(2):所得課税の意義と税制改革
【第8回】
 日本の消費税:逆進性と消費税増税問題
【第9回】
 日本の法人税:法人税制度と近年の動向
【第10回】
 環境税をめぐる諸問題
【第11回】
 公債と財政赤字問題
【第12回】
 財政投融資のしくみと展開
【第13回】
 政府の役割をめぐって:「民営化」と「規制改革」
【第14回】
 少子高齢化社会と財政
【第15回】
 まとめと試験(ただし試験の実施方法は開講後に決定)