1. |
授業の内容(Course Description) |
|
アメリカのサブプライムローンに発した金融危機は、ヨーロッパ、日本、新興国に波及し、世界各国の実体経済が同時かつ急速に縮小する世界経済危機になった。日本経済は一足先にバブル拡大・崩壊・長期低迷を経験した後回復し始めていたが、輸出依存だったため再び危機に陥った。世界経済、日本経済が危機を脱して新たな成長を目指すためには、国民一人一人が、世界経済、日本経済がなぜ危機に陥ったのか、どうすれば脱出できるか、危機を繰り返さないためにはどうすればよいのか、考えを深める必要がある。 マクロ経済学は、このような世界経済、日本経済を全体としてとらえ理解するために必要な概念、統計、理論を提示する。この授業では、世界経済、日本経済の危機の現状について最新のデータをみながら、それを理解するために必要最小限な知識を身につける内容としていく。 具体的には、入門マクロ経済学Iの基礎の上に、不況で急増する失業についてどう分析しどういう政策をとるべきか、世界金融危機をおこしたマネーの流れについてどうとらえどう分析するか、世界各国がとりつつある需要刺激策をケインジアンの45度線分析でどう分析するか、理解を深める。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
失業の原因、マネーの流れ、ケインジアンの45度線分析が分かること。 世界経済、日本経済の危機について理解し始めること。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末テスト100%。 テストは、授業をまじめに受け、家で勉強し、最低限の知識(MR)を身につけたか、自分で考える力(自分流)を身につけたかどうかをみる。 欠席・遅刻・早退、教室にいても授業不参加・ケータイ・マンガ・ゲーム・寝る・喋る・立ち歩く・飲み食いするでは、単位はとれない。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:グレゴリー・マンキュー『マクロ経済学I、入門編』第2版 東洋経済新報社、2003年
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
新聞やテレビの経済報道をみて、分かろうとするようになってほしい。それが就職活動で必要な一般常識につながる。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 入門マクロ経済学Iの復習 1.GDPと経済循環 2.閉鎖経済、完全雇用の場合の市場均衡 【第2回】 第4章 失業をどう減らすか 1.自然失業率を減らす 【第3回】 2.構造的・摩擦的失業を減らす 【第4回】 3.待機的失業を減らす、 4.若年失業、長期的失業を減らす 【第5回】 第5章 貨幣とインフレーション、デフレーション 1.マネーはどう流れるか ①マネタリーベース、 ②マネーストック、 ③貨幣の流通速度と貨幣数量説 【第6回】 2.世界金融危機の仕組み 【第7回】 3.名目金利、実質金利、フィッシャー効果 【第8回】 4.実質貨幣残高への需要、流動性選好、 5.国債流通利回りの計算 【第9回】 6.マネー指標の定義・統計、 7.信用創造のメカニズム 【第10回】 第6章 ケインジアンの45度線分析 1.市場均衡の図の描き方 【第11回】 2.公共投資増により総需要はどれ程増えるか 【第12回】 3.輸出増により総需要はどれ程増えるか 【第13回】 4.減税により総需要はどれ程増えるか 【第14回】 5.開放経済の場合の乗数効果 【第15回】 6.世界経済危機と世界各国、日本の需要刺激策の分析
|