Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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経済政策論 II 小島 祥一
教職  2単位
【教職】 09-1-1110-0210-31A

1. 授業の内容(Course Description)
 アメリカのサブプライムローンに発した金融危機は、ヨーロッパ、日本、新興国に波及し、世界各国の実体経済が同時かつ急速に縮小する世界経済危機になった。日本経済は一足先にバブル拡大・崩壊・長期低迷を経験した後回復し始めていたが、輸出依存だったため再び危機に陥った。世界経済、日本経済が危機を脱して新たな成長を目指すためには、国民1人1人が、世界経済、日本経済はなぜ危機に陥ったのか、どうすれば脱出できるのか、危機を繰り返さないためにはどうすればよいのか、考えを深める必要がある。特に世界経済危機で各国がとろうとしている経済政策は、日本がバブル崩壊のときにとった経済政策とそっくりであり、日本の経験を知れば、世界の今が理解しやすくなる。
 このような観点から、この授業では、20世紀後半以降、特に1980年代半ば以降のバブル発生・崩壊、長期低迷において日本はどのような経済政策をとったのか、理解を深める。そのための基礎知識として、景気、雇用、デフレ、金利、不良債権、財政・国債、人口減少・年金について学ぶ。日本の経済政策Iは小泉内閣以前の動き、IIは小泉内閣およびそれ以降の動きを主なテーマとしてとりあげる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 日本の経済政策を知れば知るほど、世界が分かるようになると実感すること。
 新聞、TVで専門家が意見を述べているのに対して、自分の意見を言えるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト100%。
 テストは、授業をまじめに受け、家で勉強し、最低限必要な知識(MR)を身につけ、自分で考える力(自分流)を身につけたかどうかをみる。
 欠席・遅刻・早退、教室にいても授業不参加・ケータイ・マンガ・ゲーム・寝る・喋る・立ち歩く・飲み食いするでは、単位はとれない。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:小島 祥一『なぜ日本の政治経済は混迷するのか』第2章(岩波書店、2007年1月)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日本の経済政策のテーマは、世界の今につながるホットな話題であり、学生諸君にとって極めて身近なテーマである。マスコミには極端な意見がもてはやされることが多いが、学生諸君はもっとバランスのとれた議論が出来るようになることを期待する。それが就職活動に必要な一般常識につながる。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 第3章 小泉内閣とそれ以降の日本の経済政策早分かり
  1.改革なくして成長なしのタカ派小泉首相
   (1)登場
【第2回】
   (2)抵抗勢力と妥協
【第3回】
   (3)2大政党対立
【第4回】
   (4)政治はアメリカ、経済は中国で政権浮揚
  2.ポスト小泉時代
【第5回】
 第4章 危機にならなければ動かない日本の経済政策…その2
  1.不良債権処理
   (1)パートI
【第6回】
   (2)パートII
【第7回】
   (3)基礎知識:不良債権の指標
【第8回】
   (4)世界経済危機との比較
【第9回】
  2.デフレ
   (1)物価下落
【第10回】
   (2)ゼロ金利
【第11回】
   (3)基礎知識:物価、金利、マネーの指標
【第12回】
  3.構造改革
   (1)その過程
【第13回】
   (2)基礎知識:郵政民営化、道路公団民営化
【第14回】
   (3)基礎知識:人口減少
【第15回】
   (4)基礎知識:年金