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授業の内容(Course Description) |
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本学期は、中国を除く東アジア地域を対象としたアジア経済発展論である。NIESやASEANが中心となるが、これらの国・地域の発展は日本の高成長を嚆矢として、NIES・ASEAN・中国・ヴェトナムと次々と継起的に発展したいわゆる雁行型経済発展といわれ、東アジア経済の奇跡がもたらされた。この東アジア経済の発展モデルは第2次大戦後の発展途上国のもっとも典型的なモデルである。つまり、戦後の途上国の開発モデルは、東アジアの「輸出志向型発展」と社会主義発展モデル、ラテンアメリカ諸国を代表とする「従属型発展」モデルの3つのモデルがあった。まず、成功したのは東アジアモデルであった。 アジア経済の中において、東アジア経済発展の特徴はいうまでもなく、いわゆる「対外志向型経済成長」といってよい。その展開の特徴を韓国、台湾、タイ、マレーシアの4ヶ国を中心にみる。さらにNIESの1965年から1980年代の軽工業を中心とした輸出志向型経済は1990年代には、「対外志向型経済を超えて」、いずれも産業の高度化に向かい、中国への資本・生産財の輸出志向型に形態変化した。1997年のアジア通貨金融危機後はASEANを含めて一層その傾向を強めている。現在では東アジア経済は中国・NIES・ASEAN・日本の相互の経済連携を強め、事実上の東アジア経済共同体を形成している。将来的には「東アジア共同体」形成の構想が具体化され、実際アセアンを中心に政治・外交テーブルに載りつつある。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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第2次大戦後の世界経済の発展の歴史からみて、東アジア経済の高成長は世界的な経済発展の新しい発展モデルを提起するものであったといえる。その意義を理解すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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中間テスト1回(30%)と期末定期試験(70%)によって評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:配布プリント。 参 考 書:世界銀行『東アジアの奇跡−経済成長と政府の役割』(東洋経済新報社、1994年6月)安 忠栄『現代東アジア経済論』(岩波書店、2000年2月)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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中国経済論 Iも同時に受講することが望ましい。アジア経済をNIES・ASEAN、インド、中国の3つの経済発展パターンとして講義するので。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 アジア経済論の射程 【第2回】 アジア経済論の方法 【第3回】 東アジア諸国の経済発展:長期経済パフォーマンス 【第4回】 対外志向型経済発展戦略の成果と限界 【第5回】 東アジアにおける雁行型経済発展 【第6回】 輸出主導型工業化 【第7回】 産業優位・金融従属型体制 【第8回】 韓国型圧縮成長モデルの功罪 【第9回】 圧縮成長モデルの限界と通貨金融危機 【第10回】 台湾の中小企業工業化モデル 【第11回】 マレーシアの外国直接投資主導モデル 【第12回】 東アジアにおける経済集積のダイナミズム 【第13回】 日本経済と東アジア経済 【第14回】 東アジア共同体:その構想と可能性 【第15回】 総括:東アジア経済発展モデルの世界史的意義
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