Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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地誌学 I 田辺  裕
選択  2単位
【経営】 09-1-1110-0344-14A

1. 授業の内容(Course Description)
 講義の最初では地誌の意義、面白さ、地理学の他の分野との違いなどを理解していただくためにやや概論的な言及がある。とりわけ、いわゆる法則や原理を求め、それによって現実を解釈する近代科学とは異なり、地理は歴史と並んでその時代・その地域の事実を取り上げること、その物語的な実証学問の特徴をつかんでいただきたい。具体的にはヨーロッパ地誌のような広域地誌を中心に自然地誌と文化地誌との接点を示す。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 本講義では、地理学の一分野としての地誌学の特徴を、具体的な地誌の学習を通じて理解することを目的とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 評価は期末試験とレポートで行う。試験には配布プリント・ノートの持ち込みは可であるが、コピーしたノートは不可。
 レポートは次項に挙げた参考図書のうち1つを読んで感想文を書くこと。
  長さ A4(40字25−35行)、1枚
  注意 選択した書名を1行目に、学籍番号・氏名を2行目に記入すること
  提出期限と場所 6月第1週授業時、教室にて、それ以降も期末試験時まで受け取るが減点となる。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 1.『さまよえる湖(上)』『さまよえる湖(下)』(スウェン・ヘディン)岩波文庫
 2.『暗黒大陸』(スタンレー)世界教養全書、平凡社
 3.『アメリカ人民の歴史(上)』『アメリカ人民の歴史(下)』(レオ・ヒューバーマン)岩波新書
 4.『熱い心の島ーサンゴ礁の島』(サンゴ地域研究G)古今書院
 5.『台湾』(厳 勝雄)二宮書店
 6.『多民族の国アメリカ』(グリーン)創元社
 7.『サヘルに暮らす』(小川 了)日本放送協会
 8.『イスラエル・ウクライナ紀行』(佐藤 康彦)渓流社
 9.『ジプシーと呼ばれた人々』(加賀美 雅弘)学文社
 10.『フランス文化と風景、下巻』(ピット、手塚・高橋訳)東洋書林
 11.『歴史序説』(イブン・ハルドゥーン、『人類の知的遺産22.イブンハルドゥーン』所収)講談社
 12.田辺(1985)『歴史の舞台としての自然』(井上 幸治 編:民族の世界史8『ヨーロッパ文明の原型』山川出版社刊)
 13.田辺(1996年―2000年)『図説世界の地理』(田辺監修のヨーロッパ各巻、朝倉書店刊)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 教育実習・介護実習による欠席者は前項に挙げた本のうちさらに1冊を読んで感想を書く。なお教育実習あるいは介護実習に参加したものは必ずその実習参加証明のコピーを添付すること。
 〆切:実習終了後ただちに。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
  導入とオリエンテーション
【第2回】
 第一章 地誌の特徴(地域のとらえ方)
【第3回】(註)4月25日(土)の1限に補講として行う予定である。
 断章 地誌と地理教育の日仏比較
【第4回】
 第二章 風土から見たヨーロッパ文化の特質
  1)広がりと位置(明るい夏と暗い冬)
【第5回】
 2)気候の地域性と生活暦 
【第6回】
 3)地形と風景)
【第7回】
 前回の続き
【第8回】
 第三章 ヨーロッパの発展と風土
  1)気候変動と開拓の歴史
【第9回】
  前回の続き
【第10回】
 2)集落形態と都市立地
【第11回】
 第四章 ヨーロッパの衣食住
  1)農業と衣食住 
【第12回】
 2)北西ヨーロッパの農業 
【第13回】
 3)地中海地方の農業 
【第14回】
 4)風土・産業から生まれた生活文化
【第15回】
 前回の続きとまとめ