Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
比較産業論特講 II 和田 正武
選択  2単位
【経営学専攻】 09-1-1110-0584-27A

1. 授業の内容(Course Description)
 比較産業論特講Iに引き続き、産業活動を分析する別の方法を学び、多様な産業の特徴を別の角度から把握することに努める。また、特講IIでは半導体産業、自動車産業、物流業をとりあげ、その発展の足取り、現在の問題を分析し、将来に向けての変容と発展の可能性を考えることともに、産業による違いを把握し、産業への理解を深める。適宜、日本以外の国(韓国、台湾、中国など)との比較も行う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 与えられた研究課題に対し、自主的に調査研究できる能力を高める。収集した文献を読み、概要をまとめ、また統計資料の処理や分析を行い、報告書のまとめ方など実践力を養う。期末には関心ある産業を選択し、その産業に関するレポートをまとめ提出する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 通常の授業での発言、発表などの活動状況を評価する。また適宜課題を与えレポートを提出、それを評価する。更に、期末にはレポートの提出を求め、その内容を評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 各種統計資料(工業統計、貿易統計、直接投資統計など)、『日本戦後産業史』(東洋経済)、『日本半導体起死回生の逆転』(東洋経済)、トヨタの新かんばん方式、その他、適宜知らせる。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 前期比較産業論Iを履修していることが望ましい。産業活動に関心があり、自分で産業の分析をしたいと思っている意欲ある学生。
 自分の意見を持ち、また人の意見にも関心を示し、ディスカッションできる学生。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション。前期の授業で学んだ産業分析の手法を簡単に復習し、また、後期の授業の計画を紹介する。
【第2回】
 産業の成長力(1)
 工業統計表により、産業毎の成長率の違い、時代による変化をみる。その中で産業に成長産業と衰退産業があること、しかし、長く成長を維持する産業もあることなどを理解する。その理由を考える。
【第3回】
 産業の成長力(2)
 産業の成長を支えるものはなにか?研究開発活動と新製品の発生、競争力とは?また新しい産業の発生のメカニズムを考える。
【第4回】
 日本の自動車産業の発展史(1)
 戦前の発展水準と戦後の再出発。外国技術導入と国産技術
【第5回】
 日本の自動車産業の発展史(2)
 高度成長期の自動車産業。下請け構造と系列。
【第6回】
 日本の自動車産業の発展史(3)
 海外への発展。日米貿易摩擦、石油危機、海外展開。
【第7回】
 日本の自動車産業の強さの分析。トヨタ生産方式。アーキテクチャ論。
【第8回】
 日産、マツダの復活。世界の自動車産業。中国、韓国。アメリカ。ヨーロッパの自動車産業の特徴
【第9回】
 半導体産業論(1)
 世界、日本の半導体産業発展の歴史、その特徴を理解する。科学と産業の結びつき。技術革新の価格の定価、市 場拡大のサイクルの継続。
【第10回】
 半導体産業論(2)
 日米半導体戦争、先端技術の技術移転と韓国・台湾の半導体産業の台頭。これからの半導体産業。半導体が社会に及ぼす影響。ユビキタス社会の到来。
【第11回】
 半導体産業論(3)
 韓国の半導体産業の発展史と貿易構造。モジュール技術を基にする産業のキャッチアッププロセス。自動車産業との違い。
【第12回】
 地域と産業活動(1)
 産業構造の変化が地域経済にいかなる影響をおよぼすか?いくつかのケーススタディ。
【第13回】
 地域と産業活動(2)
 産業構造の変化が地域経済にいかなる影響をおよぼすか?いくつかのケーススタディ。
【第14回】
 これからの産業活動。ディスカッション。
【第15回】
 まとめ