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授業の内容(Course Description) |
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証券市場論は、特殊な領域の応用経済学である。本講義の対象とする証券市場は、証券発行を行う近代株式会社や政府・自治体などの公経済の社会的資産の集中機構を前提として成立する証券の売買運動=証券の需要と供給の場である。この証券市場は、商品としての証券(主として株式・社債・公債)を取り扱う特殊な資本。証券取り扱い資本(証券会社・銀行)の機能に支えられ、証券資本主義の発展と共に、その役割はますます重要になっている。また、証券のもつ様々な属性は、その保有者との関係において特殊なもの(たとえば、利子・配当請求権証書・投機的売買差益証券・経営支配権など)に限定されてあらわれる。とりわけ、価格論として証券を対象とする場合には、収益とリスクの両面において、発行主体の経営の個別的状態とこれに対する投資家の評価ならびに金融市場の一般的動向に依存する。証券は、今日、「信用代位」の高度形態としての「証券代位」として展開され、証券市場の範囲を一層拡大している。本講義は、このような証券市場を理論的説明のみならず、実際に則してとくに、株価指標と取引仕法を中心に展開する予定である。初めて学ぶ者にも講義内容が充分に理解されるように、図解・数値例、さらには新聞記事などを活用して進める。証券市場論 II は、マーケットに焦点を絞るため、「投資」を行う場合にも参考となる知識が習得できよう。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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金融商品としての証券の種類および取引仕法に関する基本的知識を取得したうえで現代の証券市場の実情をある程度理解しうることを目的とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テストと出席などの平常点による総合評価
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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原則として使用しない。参考文献は講義の中で指示する。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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春期講義(証券市場論I)と両方を履修すること、および出来るだけ出席することが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 はじめに(講義内容の紹介) 【第2回】 株式について(普通株・優先株・株式分割・自己株式の取得など) 【第3回】 社債について(普通社債・新株予約権付社債など)(1) 【第4回】 社債について(普通社債・新株予約権付社債など)(2) 【第5回】 株価指標について(1)(TOPIXの形成と問題点) 【第6回】 株価指標について(2)(日経平均の形成と問題点) 【第7回】 株価指標について(3)(株価収益率・株価純資産倍率・自己資本利益率・CAPMなど) 【第8回】 証券価格の決定論 【第9回】 信用取引(1) 【第10回】 信用取引(2) 【第11回】 先物取引 【第12回】 オプション取引(1) 【第13回】 オプション取引(2) 【第14回】 投資信託 【第15回】 まとめ
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