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授業の内容(Course Description) |
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本講義は春期講義(日本の金融 I )の「つづき」として、すなわち応用編として行うが、春期講義との関連を踏まえつつ日本の金融システムを取り扱うため、本講義だけでも履修は可能である。 明治期以降、欧米諸国から遅れて出発した日本の資本主義制度は、その急速な発展の中で、金融システムは顕著な役割を果たし、独特なシステムとして構築された。戦後から1980年末代までは、政府の規制的な金融政策の下でメインバンクを中心とし、金融機関の「スミワケ」も明白で、比較的安定したシステムとして機能してきた。ところが近年では、米国のサブプライム問題を契機とする世界的な金融危機の展開から明らかなように、グローバル化・自由化・情報化・証券化などの大きな変化期にあり、不良債権とその処理、大手金融グループの再編・金融商品の多様化、金融のIT化、政府による金融機関への支援などに直面している。本講義もまた、時には最近のホットな話題あるいは関係するテーマの事例などに触れつつ進める。また理解を容易にするため、図解・計算例を活用しながら体系的に解説する。講義の進行はシラバスどおりに行う予定であるが、変更する場合もある。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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日本および世界の金融事情に関心を深めるとともに日本の金融システムの現状について理解しうる基本的知識を取得すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末テストおよび出席などの平常点による総合評価
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト 全国銀行協会金融調査部(編)『図説・わが国の銀行』(財経詳報社、最新版)
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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春期講義(日本の金融Ⅰ)と継続して履修することが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 はじめに(講義内容の紹介) 【第2回】 日本の金融システム(1)(金融資産と金融負債、家計・企業・政府の部門別資金の過不足) 【第3回】 日本の金融システム(2)(直接金融と間接金融、金融市場と証券市場) 【第4回】 日本の金融組織と金融機関(1)(金融機関の種類と活動) 【第5回】 日本の金融組織と金融機関(2)(金融機関の種類と活動) 【第6回】 日本の金融組織と金融機関(3)(金融機関の歴史) 【第7回】 日本銀行と金融政策(1)(日本銀行の目的と諸機能) 【第8回】 日本銀行と金融政策(2)(金融政策の目的と手段、金融政策と財政政策) 【第9回】 日本の産業金融(企業の資金調達の様式) 【第10回】 日本の証券市場 【第11回】 日本の中小企業金融 【第12回】 日本の消費者金融 【第13回】 金融機関の経営と問題点 【第14回】 最近の日本の金融事情 【第15回】 まとめ
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