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授業の内容(Course Description) |
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マクロ経済学Ⅰに続く講義である。景気の好不況の如何や経済成長率が何%になったかという問題は経済状態の観測や経済政策の立案にとって常に関心の的となっていることは周知のことであるであろう。この講義においては、このような観点からまず景気循環の問題を取り上げてみたい。経済成長率はその短期的な変動(景気循環)の安定化とともに、長中期的な安定成長の達成も重要な政策課題の1つであり、かくして、引き続いて経済成長のメカニズムとその成果の測定の問題を取り上げる。また、ますます複雑化する金融市場及び国際経済の問題の理解に資するためにそのような問題にも触れたい。可能な限り日本経済との絡みで上記のような問題を取り上げていきたいと考えている。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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日本経済の日々の状態の推移を観測し理解したり、日本経済の長期的展望を考えていく上での一助となることを期待している。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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主として期末試験の成績によるが、途中で授業の理解度を確かめるために2~3回のレポートの提出を求める。このようなレポートは授業の理解に役立つだけでなく、成績評価にも関係してくるので軽視しないようにしてほしい。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業はプリントの配布によって行なう。プリントは当該講義時の出席者のみに配布する。参考文献は講義中に適宜紹介したいが、取り敢えずは、マクロ経済学Ⅰで紹介した、福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』有斐閣アルマ、中谷巌『入門マクロ経済学』日本評論社、をあげておく。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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講義を通じて、経済の見方や経済政策への理解を深めてもらえれば幸いである。講義プリントは、特別の事情がない限り、配布当日の出席者のみに配布するので、欠席しないようにしてもらいたい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容と計画。その時点における日本経済の状態についても触れたい。 【第2回】 マクロ経済学Ⅰの復習。後期講義の予備知識として、前期試験の解説とともに、前期講義内容の簡単な復習を行なう。 【第3回】 経済変動の形態とその歴史的推移。経済変動には数十年に及ぶ長期変動から数年周期の景気循環まで様々なものがある。そのような経済変動の諸形態を歴史的な視点から検討する。 【第4回】 景気循環の測定。日本の数年周期の景気循環を対象としてそのような循環の山と谷の測定の方法を述べるとともに、戦後日本の景気循環(好況と不況の繰り返し)の推移を歴史的及び統計的に検討する。 【第5回】 日本の景気循環の検討。前回に続いて、戦後日本の景気循環の歴史的及び統計的検討を行なう。 【第6回】 景気循環の理論(1)。古典的な景気循環の理論、加速度-乗数理論など景気循環の理論について述べる。 【第7回】 景気循環の理論(2)。近年における新しい景気循環の理論のいくつかを取り上げて検討する。 【第8回】 日本と世界の経済成長と経済成長の意義。経済成長の意義と意味について述べるとともに、世界各国の経済成長の推移について検討する。 【第9回】 経済成長の理論(1)。経済成長理論の嚆矢であるハロッド・ドーマーの理論及びその批判の下に提示された新古典派の理論について述べる。 【第10回】 経済成長の理論(2)。近年のより新しい成長の理論のいくつかを取り上げる。 【第11回】 経済成長の測定(1)。ハロッド・ドーマー理論及び新古典派理論に基づく成長会計の方法による経済成長の諸要因の測定方法について述べる。 【第12回】 経済成長の測定(2)。経済成長の測定に伴なう様々な問題、特に技術進歩の測定について検討する。 【第13回】 金融市場とマクロ経済。近年における金融市場の変化とマクロ経済へのその影響について考える。 【第14回】 国際マクロ経済学(1)。国際収支の見方、国際金融制度の変遷、為替レートの決定要因について述べる。 【第15回】 国際マクロ経済学(2)。マンデル・フレミングの理論の下での経済政策の効果について検討する。
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