1. |
授業の内容(Course Description) |
|
本講義は西アジア(中東)経済への理解をイッシュー(問題)毎に深めることに力を入れる。独立した講義ではあるが、西アジア経済論 I を受講してイスラーム教などに関する基礎的知識を得ていることが望ましい。西アジア経済は各国が独自の地域的文化的背景を持っていると同時に、グローバル経済に深く組み込まれている。多くの国が直接的、間接的に石油・天然ガス輸出収入に依存してきたが、「石油後」をにらみながら新たな経済発展戦略を模索している。巨額なアラブ・オイルマネーの動向、無視できなくなったイスラーム金融・銀行システムなどホットな話題も多い。同時に若年人口の爆発的増加、地域格差・階層格差の拡大、雇用問題の深刻化なども無視できなくなっている。この講義では西アジア経済の最近の発展を考慮に入れるとともに、世界経済とも関連させながら、柔軟かつ多角的な眼で経済を見る姿勢を育成することをめざす。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
先進国経済を理解すれば世界経済が理解できるという時代は終わっており、西アジアなど重要な発展途上地域へ関心を養うことによって、柔軟な国際的理解ができる姿勢を養う。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末定期試験によって評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:配布プリント。 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参考。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎します。また、日常的に新聞を読んで重要ニュースを追う訓練も重要。講義で新聞記事を話題提供の材料とすると同時に、新聞記事の批判的な読み方も指導します。 独習は難しいので授業への出席は重要です。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 西アジア経済が注目される理由は何か 【第2回】 世界経済と西アジアの石油ガスの役割(1) 1970年代と2000年代の相違 【第3回】 世界経済と西アジアの石油ガスの役割(2) 【第4回】 世界同時不況と資源問題 【第5回】 イスラーム金融の挑戦(1) イスラーム復興と経済思想 【第6回】 イスラーム金融の挑戦(2) 草の根のイスラーム金融:相互扶助 【第7回】 イスラーム金融の挑戦(3) イスラーム金融の具体化の進展(スクーク=債券など) 【第8回】 イスラーム金融の挑戦(4) 国際化したイスラーム金融(ドバイ、マレーシア、ロンドン、シンガポール) 【第9回】 人口問題と西アジア経済 【第10回】 西アジア経済の多様性(1) イラン:イスラーム体制と財団(ボンヤド) 【第11回】 西アジア経済の多様性(2) トルコ:エタティズム、EU加盟問題 【第12回】 西アジア経済の多様性(3) イスラエル:シオニズム経済と新古典派の相克 【第13回】 西アジア経済の多様性(4) アラブ民族主義と国民経済 【第14回】 「構造改革」とグローバル化 【第15回】 西アジア経済論 II の総括と問題提起
|