1. |
授業の内容(Course Description) |
|
この講義ではユーラシア大陸の中心に位置する旧ソ連の中央アジアを軸に、その地域経済が周辺地域の影響のなかでどのように変化しているかをみる。また市場化を進め、経済発展を模索している状況を分析する。ユーラシア大陸は新興経済圏を含め今日ダイナミックな再編成を遂げてきており、日本も否応なしに大きな影響を受けざるを得ない地域である。中央アジアはなじみがない地域かも知れないが、ロシア・中国・南アジアに挟まれたこの地域の帰趨は、逆にロシア・中国・中東・南アジアなどの政治経済に大きな影響を及ぼす関係にある。かつてのシルクロードに位置し、ペルシャ、トルコ、イスラーム教、ロシア、南アジアなど多様な文化を受け入れたるつぼのような地域である。その経済を理解するためには、政治と国際関係さらに地理・歴史・文化・宗教まで考慮にいれるという総合的理解が必要である。講義 I では中央ユーラシア・中央アジアの地理的歴史的特徴をできるだけ理解したうえで経済問題に向かうことを目的とする。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
世界をできるだけ総体的に捉える力を養う。地球はますます狭くなっており、ユーラシア大陸を一つの単位として考える発想も理解できるようにする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
期末定期試験によって評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:配布プリント 参考書は適宜講義で指示する。同時に各種日刊紙を常時参照することが望ましい。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
新しい分野にチャレンジしようとする学生、発想の枠を柔軟にしようとする学生、質問を出す学生を歓迎する。中央ユーラシア通じて異なる価値観を知りことが、今後国際的に活躍しようとする学生にとって貴重なヒントが得られると信じる。 独習は難しいので授業への出席は重要です。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 中央アジア・ユーラシア中心部はどのようなところか 【第2回】 地政学的アプローチはどの程度有効か(1) 【第3回】 地政学的アプローチはどの程度有効か(2) 【第4回】 遊牧文化とその経済的影響(イブン・ハルドゥーンなど) 【第5回】 ペルシャ文化の影響とシルクロード 【第6回】 中央ユーラシアへのイスラーム教の浸透 【第7回】 中国と中央アジア 【第8回】 インド世界と中央ユーラシア 【第9回】 ロシア支配に至る歴史と英露間の「グレート・ゲーム」 【第10回】 ソ連と中央ユーラシア・中央アジア 【第11回】 ソ連の解体と中央アジア諸国の独立 【第12回】 ソ連時代の遺産:文化・ロシア語と経済 【第13回】 アフガニスタン問題と中央アジア 【第14回】 体制転換の嵐のなかで 【第15回】 地域研究論I の総括と問題提起
|