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授業の内容(Course Description) |
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国際貿易は、わが国では特異なウエイトをもってきました。自然資源の乏しいわが国は、その輸入なしには経済立国できません。大東亜戦争の一つの原因は、自然資源へのアクセスの遮断です。敗戦により逆説的に、市場と資源へのアクセスを与えられましたが、戦後しばらくは、輸入が輸出をうわまわり、貿易収支がしばしば赤字となり、外貨不足に陥り、景気引き締めを余儀されなくなるという困難がありました。貿易・資本の自由化のあったときには、外国企業の影におびえました。石油価格の急騰期には、物価が上昇しました。経済力が伸びて貿易収支が大きな黒字になったときは、日本経済は見直されるとともに、日本バッシングにも遭いました。昨年来、金融危機から外需も大きく減退し、景気後退を加速していることは周知のとおりです。貿易論では、この歴史的経緯はあまり触れませんが、貿易に伏在する大きな力学を論じます。この講義でも、貿易規模や輸出入パターンの決定、生産要素価格比の決定などにかかわる、貿易論で有名な定理を解説し、貿易をみる上でのしっかりした視座の獲得をめざします。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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貿易論で重要な定理は、発見者の名前を冠したものが多いです。それらの内容を理解することです。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験・出席率を評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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ケイブス・フランケル・ジョーンズ 『国際経済学入門 ① 国際貿易編』 日本経済出版社
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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貿易論の体系は、ミクロ経済学・マクロ経済学と関係があります。とくに、入門ミクロの知識は必須ですので、先行して履修することをつよく勧めます。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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教科書の構成で進めたいと考えますが、カバーする範囲は、履修者の理解度を勘案し調整する予定です。 【第1回】 マクロ経済と貿易 1 【第2回】 マクロ経済と貿易 2 【第3回】 商品貿易 1 【第4回】 商品貿易 2 【第5回】 資源の移動と取引利益1 【第6回】 資源の移動と取引利益2 【第7回】 技術と生産:リカードモデル 1 【第8回】 技術と生産:リカードモデル 2 【第9回】 貿易と国内所得分配 1 【第10回】 貿易と国内所得分配 2 【第11回】 要素賦存量と貿易 1 【第12回】 要素賦存量と貿易 2 【第13回】 貿易、成長および生産性 1 【第14回】 貿易、成長および生産性 2 【第15回】 補論
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