Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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貿易論 I 中澤 敏明
選択  2単位
【経営】 09-1-1110-1880-19A

1. 授業の内容(Course Description)
 国際貿易は、わが国では特異なウエイトをもってきました。自然資源の乏しいわが国は、その輸入なしには経済立国できません。大東亜戦争の一つの原因は、自然資源へのアクセスの遮断です。敗戦により逆説的に、市場と資源へのアクセスを与えられましたが、戦後しばらくは、輸入が輸出をうわまわり、貿易収支がしばしば赤字となり、外貨不足に陥り、景気引き締めを余儀されなくなるという困難がありました。貿易・資本の自由化のあったときには、外国企業の影におびえました。石油価格の急騰期には、物価が上昇しました。経済力が伸びて貿易収支が大きな黒字になったときは、日本経済は見直されるとともに、日本バッシングにも遭いました。昨年来、金融危機から外需も大きく減退し、景気後退を加速していることは周知のとおりです。貿易論では、この歴史的経緯はあまり触れませんが、貿易に伏在する大きな力学を論じます。この講義でも、貿易規模や輸出入パターンの決定、生産要素価格比の決定などにかかわる、貿易論で有名な定理を解説し、貿易をみる上でのしっかりした視座の獲得をめざします。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 貿易論で重要な定理は、発見者の名前を冠したものが多いです。それらの内容を理解することです。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験・出席率を評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
  ケイブス・フランケル・ジョーンズ
 『国際経済学入門 ① 国際貿易編』 日本経済出版社
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 貿易論の体系は、ミクロ経済学・マクロ経済学と関係があります。とくに、入門ミクロの知識は必須ですので、先行して履修することをつよく勧めます。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
 教科書の構成で進めたいと考えますが、カバーする範囲は、履修者の理解度を勘案し調整する予定です。
【第1回】
 マクロ経済と貿易 1
【第2回】
 マクロ経済と貿易 2
【第3回】
 商品貿易 1
【第4回】
 商品貿易 2
【第5回】
 資源の移動と取引利益1
【第6回】
 資源の移動と取引利益2
【第7回】
 技術と生産:リカードモデル 1
【第8回】
 技術と生産:リカードモデル 2
【第9回】
 貿易と国内所得分配 1
【第10回】
 貿易と国内所得分配 2
【第11回】
 要素賦存量と貿易  1
【第12回】
 要素賦存量と貿易  2
【第13回】
 貿易、成長および生産性 1
【第14回】
 貿易、成長および生産性 2
【第15回】
 補論