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授業の内容(Course Description) |
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(1)春期に続き、実務経験を踏まえつつ、「金融論の基礎」を出来るだけ判り易く展開します。
(2)現下の金融危機への各国当局やわが国金融機関の対応等を観察しつつ、金融機関による新しいビジネス・モデルの確立さらには経済全体の回復や金融危機克服の方途などについて新聞・雑誌論文等を使いつつ、易しく説明します。併せて、「意見交換」や「討論形式」を、随時採用し自分の言葉で金融問題を語れるような材料を提供したいと思っています。
(3)日本の金融I、IIを通じて「金融」というやや特殊な分野について、学生諸兄が若干なりとも興味や親しみをもって接するようになった暁には、金融関係者など外部専門家を招請し、理解の幅をさらに拡げる機会を創りたいと思っています。
(4)併せて、節度や倫理観の欠如した「市場経済」の問題点についても採り上げ、「市場」なかんずく「金融」に携わる者あるいは将来金融界を目指す若者達にとっては、何よりも「志の高さ」が重要であることを、具体的な失敗経験や反省の中から率直に説明します。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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春期に引き続き、金融問題の基礎を学ぶことにより、「金融は難しい」という一般的な見方や「思い込み」を出来る限り少なくし、「産業の血液」と言われる金融やあるいは経済問題一般について理解を深めるとともに、自分の言葉で語れるようになることを目標とします。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(40%) :春期に引き続き、出席確認のために議論や討論形式を随時採用します。
定期試験(60%):出席していればほぼ回答できる設問に、きわめて短い感想文ないし小論文を加えます。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:特に指定しない予定です。
参考文献: 池尾和人『入門金融論』ダイヤモンド社(2004)
塩谷隆英『経済再生の条件』岩波書店(2007)
植田和男『ゼロ金利との闘い』日本経済新聞社(2005)
小林正弘、大類雄司『世界金融危機はなぜ起こったか』東洋経済新報社
湯本雅士『基礎から学ぶ金融・財政』東洋経済新報社(2005)
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5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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前期同様、出席と積極的な意見表示を強く期待し、要望します。とくに自分の興味のある分野について、自分で調べる、さらには積極的にレポートを書いてみるなどの努力を高く評価するとともに、支援します。
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6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
イントロダクションと前期の復習(レポート、テストを審査・採点して)
【第2回】
金融政策と財政政策Ⅰ(役割の分担)
【第3回】
金融政策と財政政策Ⅱ(信用機構政策の効用と課題)
【第4回】
金融政策と財政政策Ⅲ(歴史的実証)
【第5回】
金融の流れⅠ(資金循環、経済の血液としての金融)
【第6回】
金融の流れⅡ(市場参加者)
【第7回】
金融の流れⅢ(市場経済の進化、金融工学の功罪)
【第8回】
再び90年代の日本(バブルの発生と崩壊、金融経済・危機の責任と教訓)
【第9回】
再び21世紀米国発金融・経済危機克服に向けてⅠ(課題と教訓)
【第10回】
再び21世紀米国発金融・経済危機克服に向けてⅡ(新たな市場経済を求めて)
【第11回】
わが国金融機関の現状と展望(選択と集中、そして合併、新しい金融地図、国際戦略など)
【第13回】
新しい金融のあり方を求めて(環境と金融、SRI、マイクロ・クレジット、「志」)
【第14回】
外部専門家による特別講義と討論(金融に携わろうとする者への提言など)
【第15回】
今期の復習と期末テスト
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