Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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アメリカ型スポーツ経営 II 大坪 正則
選択  2単位
【経済】 09-1-1120-0107-10A

1. 授業の内容(Course Description)
 日本のプロ野球(NPB)のビジネス形態の把握
 日米(NPBとMLB)のビジネス手法の相違を理解
 bjリーグ(バスケットボール)の経営戦略を把握
 巨人一極集中やパリーグ球団の慢性的赤字体質を分析
 NPBの諸制度を分析
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 以下を理解すること
 ・球団収入の不均衡と球団戦力の不均衡の原因
 ・マーチャンダイジングのビジネスが活発化しない理由
 ・球団と球場の経営一体化の実状
 ・コミッショナーの役割とリーグの国際戦略
 ・NPB12球団の経営内容
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト40%、授業出席60%
 抜打ちテストで授業出席を確認します
 レポートの自主的提出は加点します
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:『スポーツと国力』(朝日新書)
 参考文献:『メジャー野球の経営学』(朝日新聞社)
『プロ野球は崩壊する』
『実録メジャーリーグの法律とビジネス』(大修館)
『イチローの脳を科学する』(幻冬舎新書)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 関連科目の「ヨーロッパ型スポーツ経営」「スポーツ法学総論」「ライセンスビジネス論」「スポーツ産業構造論」にも興味と関心を持つこと
 知的好奇心を持って勉学に励むこと
 欠席・遅刻・授業中の私語は厳禁
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 総論
  プロ野球が直面する問題を総合的に把握します。bjリーグの理念も理解します。
【第2回】
 組織と権利の所在
  コミッショナー、球団、球場、選手の組織と権利の所在、球団と選手の関係、コミッショナーの権限、選手会の力について論じます。併せ、球団と球場、及び、福岡ソフトバンクホークスについて話をします。
【第3回】
 リーグ経営の特徴
  自由競争の経営、大きな社会的影響力、権限のないコミッショナー、権利が集中する球団、親会社が介入する権利処理、等、リーグビジネスとしては完成度の低い現状を分析します。併せ、親会社の役割、及び、阪神タイガースについて話をします。
【第4回】
 70年の歴史
  企業が作ったプロリーグ、二リーグ創立、コミッショナーの誕生、ドラフト制導入、フリーエージェント制導入、等の歴史を学びます。併せ、オリックスバッファローズについて話をします。
【第5回】
 収入格差と戦力不均衡
  収入に格差が生じる原因を探り、戦力不均衡の弊害を論じます。併せ、読売ジャイアンツについて話をします。
【第6回】
 チケット販売とフランチャイズ
  チケットの売り方を検討し、他のエンターテイメントとも比較します。市民球団の定義を論じます。併せ、広島カープについて話をします。
【第7回】
 テレビと放送権
  巨人中心の弊害、改革案に反対するセリーグ球団の根拠、放送権利料に依存するセリーグ、巨人戦放送のないパリーグの赤字体質を分析します。併せ、北海道日本ハムファイターズについて話をします。
【第8回】
 マーチャンダイジング
  独占の概念、応援グッズの域を出ない商品群、流通と小売の未整備、単品の在庫リスク、並行輸入を論じます。併せ、埼玉西武ライオンズについて話をします。
【第9回】
 スポンサーシップとその他権利
  企業参入の少ないスポンサーシップの現状、及び、スポンサーシップが育たない背景を検証します。NBAの公式開幕戦も参考にします。メディア対策に遅れがあるプロモーションも分析します。併せ、横浜ベイスターズについて話をします。
【第10回】
 ドラフトとフリーエージェント
  ドラフトの仕組みとフリーエージェントの資格を理解します。ドラフトが役割を果たしていない理由と代理人制度を分析します。併せ、千葉ロッテマリーンズについて話をします。
【第11回】
 ポスティング制度
  フリーエージェントの資格取得前にMLBに移籍できる制度の導入経緯を検証し制度の問題点を分析します。併せ、東京ヤクルトスワローズについて話をします。
【第12回】
 選手
  統一選手契約書、契約金、年俸、選手寿命、社会貢献、等、選手を取り巻く環境を分析します。併せ、中日ドラゴンズについて話をします。
【第13回】
 選手会と年金制度
  選手会の現状を理解し、将来像を探ります。選手の年金問題を論じます。併せ、東北楽天ゴールデンイーグルスについて話をします。
【第14回】
 興行から産業への条件
  権利処理の融合、プロ野球を支える産業の育成、弁護士や弁理士の参画、エージェントの機能拡大、スポーツ医学との提携強化、の方向を探り、全体像を分析します。
【第15回】
 国際化
  WBCやアジアンシリーズの意義と課題についてまとめます。