Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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スポーツ学原論 II 福岡 孝純
選択  2単位
【経済】 09-1-1120-1603-10A

1. 授業の内容(Course Description)
 前期のスポーツ学原論 I では、スポーツの特性とその現代における意義と役割について論じた。後期では、スポーツの歴史・文化・伝統にふれ、スポーツと芸術の関わりがどのようなものであるかについて示す。また、スポーツは今後どのような方向へ展開していくのかを分かりやすく説く。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 前期に示した現代のスポーツはどのような経緯を経て形成されてきたかについて歴史的・文化的に考察し、有史以前からのあそびや身体活動がグローバルなスポーツ活動として発達・進化してきた過程を理解し、人間にとってのスポーツの本質と基礎についての知見を得る。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業内に行うショートレポート・感想文及び学期末の課題レポートにより評価する。従って、授業への出席はその前提となるものである。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 基本的には、オリジナルプリント、視聴覚教材を活用する。
 参考文献:『文化としてのスポーツ』オーモ・グルーペ著(ベースボールマガジン社)
『スポーツの本質と基礎』カール・ディーム著(法政大学出版局)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 スポーツを深く知るためには、そのルーツや哲学を理解する必要がある。是非、授業に積極的に参加してほしい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 スポーツの起源①:ギリシア時代のスポーツ;既にエジプトとメソポタミアにおいてスポーツは体育として行われていたが、ギリシアにおいてスポーツは文化として定着していく。
【第2回】
 スポーツの起源②:中世における運動文化;ギリシア・ローマ時代を経て、体育・スポーツは最盛期から身体蔑視の身体観が主流となる中世へと以降する。体育的活動は、騎士道において僅かに継承された。
【第3回】
 スポーツの起源③:ルネサンスにおけるヒューマニティの開花と身体性の復活;ルネサンスにより人間性が重視されるようになり、いわゆるヒューマニズムの源流が形成されていく。
【第4回】
 スポーツの起源④:疾風怒涛の時代とスポーツ・ヒューマニティの開花;産業革命を契機とする自然科学・人文科学の発達のなかで、人間性がより強く意識されるようになり、スポーツとも結びついていく。
【第5回】
 スポーツの起源⑤:スポーツクラブの発達とスポーツライフの確立;英国を中心にスポーツはスポーツクラブにより急速に発展し、このトレンドはやがてフランス・ドイツへと広がっていく。
【第6回】
 社会化するスポーツ①:ナチス時代のスポーツ;第1次世界大戦以降オリンピックの復活はあったものの、ドイツの国家社会主義によりスポーツが政治的に利用されるという悲劇的状況が起こる。
【第7回】
 社会化するスポーツ②:ドイツのトリム運動とスポーツ・フォア・オール;第2次世界大戦後の非ナチス化の時期を経て、ドイツでは文明病への対応策としてスポーツ・フォア・オール運動が発生する。
【第8回】
 社会化するスポーツ③:スポーツ&ヘルス・フォア・オールのグローバル化;ヨーロッパから始まったスポーツ&ヘルス・フォア・オール運動はグローバルな流れとなり、現在に至っている。
【第9回】
 社会化するスポーツ④:スポーツのグローバル化とメディア化;マスメディア(特に衛星中継)の発達によりスポーツはグローバル化し、エンターテイメント化した。
【第10回】
 社会化するスポーツ⑤:スポーツの多様化;スポーツは生活圏域のあらゆるところで定着しつつあり、リゾートとしてのスポーツ、セラピーとしてのスポーツ、リハビリとしてのスポーツなど多様化している。
【第11回】
 文化・芸術のスポーツ:スポーツは単に身体的パフォーマンスではなく、文化・芸術の領域へと拡大しており、例えばフィギュアスケート、新体操、古武道、流鏑馬など大きな広がりをみせている。
【第12回】
 スポーツと社会:スポーツが生活化した社会と貧困な社会では、スポーツは全く異なる位相を有する。
【第13回】
 スポーツとメディア:マスメディアの発達によりグローバルなイベントと化したスポーツは、今後どのような方向へ向かうのか。
【第14回】
 総論①
【第15回】
 総論②