1. |
授業の内容(Course Description) |
|
前期のスポーツ経営論 I では、主としてスポーツ・マーケティングのあり方について、与件・社会的状況・マーケットの実態などから論じた。これを踏まえて、本講義では、スポーツ・マーケティングの枠組みはどうあるべきか、ニーズを捉えて事業化していくにはどのような点に注意すべきかについて具体的に述べる。また、動脈産業といわれるものづくりに関わる産業と異なり、スポーツ産業は静脈産業であることを明らかにし、循環型社会においていかに重要であるかを論じる。さらに、産業成立要因、国際的なあり方の相違、官主体と民主体のあり方の相違、指定管理者制度の現状と課題など、多様なトピックを交えて論じる。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
前期で得た知見に基づき、個々のスポーツ産業がどのような経営基盤を有し、営存しているかを理解する。また、スポーツ産業が静脈産業であることについて正しい認識を得て、その存在基盤として官(行政等)、民(企業等)、第3機関(NPO等)がバランスをとって連携することが必要であることを理解する。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
授業内に行うショートレポート・感想文及び学期末の課題レポートにより評価する。従って、授業への出席はその前提となるものである。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
オリジナルテキスト、視聴覚教材を活用して、スポーツ経営の本質について平易に解説していく。
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
本講義はスポーツ・マネジメントの中核的な講義として位置づけられるので、積極的な参加を希望する。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 スポーツマーケティングの枠組み①:社会構造の変化とニーズの動向、QOL(生活の質)、ヘルスからウェルネスへの傾向、ジョイ・オブ・ライフの希求 【第2回】 スポーツマーケティングの枠組み②:わが国のスポーツ産業の取組みの特徴と問題点 【第3回】 スポーツマーケティングの枠組み③:都市と地方、過密・過疎問題における地域間交流と地域振興 【第4回】 スポーツマーケティングの枠組み④:わが国の自由時間スポーツ活動の実態、国民の満足度と施設環境 【第5回】 スポーツマーケティングの枠組み⑤自由時間スポーツ活動のニーズの捉え方、8つのスケールと質的分析、費用対効果、地域バイアス 【第6回】 ニーズの発見とマーケット構築①:社会的意識からのニーズ分析、日本独特の行動科学的実態 【第7回】 ニーズの発見とマーケット構築②:マクロマーケティングの限界と新しい手法、余暇の3つのパターン、行動科学的アプローチ 【第8回】 ニーズの発見とマーケット構築③:セグメンテーションとニッチ戦略 【第9回】 ニーズの発見とマーケット構築④:オンリーワンからの出発とベストワンへの道、イノベーションとは何か? 【第10回】 ニーズの発見とマーケット構築⑤:プロジェクトチームの発足とチームリーダー、ビヘビアリーダーの役割 【第11回】 新しいスポーツビジネスへの展開①:業界をリードするコンセプトのつくり方、ブランドとネーミングライツ等 【第12回】 新しいスポーツビジネスへの展開②:グランドデザインから事業構想へ、環境設定と概算収支予測 【第13回】 新しいスポーツビジネスへの展開③:大きな2つの流れ、見物者と行動者、イベントプロモーションとエージェント等 【第14回】 新しいスポーツビジネスへの展開④:ドイツの事例、官民の役割分担、ソフトウェアからヒューマンウェア産業へ 【第15回】 総論
|