Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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企業戦略論 I 佐久間 昭光
選択  2単位
【経済】 09-1-1120-1700-11A

1. 授業の内容(Course Description)
 企業戦略(あるいは経営戦略)とは、企業がその将来像を描き、将来像を実現するためのシナリオを描くことである。それは、さらに、企業内の人々の意思決定の指針となるものでもある。急激な技術革新、消費者の嗜好のめまぐるしい変化、競争のグローバル化など、企業をとりまく環境の変化が加速していくなかで、企業が長期的に存続していくための指針となる企業戦略のもつ重要性は、一層高くなってきている。
 現代の大企業は、なんらかの形で、複数の事業を経営する多角化企業である。経営戦略論には、2つの大きな潮流がある。1つは、個々の事業分野の競争に関わる戦略論である。それは、事業戦略あるいは競争戦略とよばれ、企業がどのような産業に属すべきか、またその産業内で他企業に優越するには、どのような戦略をとるべきかを検討する。他の1つは、全社戦略で、企業戦略とも呼ばれ、そこでは、企業の活動分野の定義と経営資源の蓄積・配分が、主要な検討課題となる。
 企業戦略論 I では競争戦略、企業戦略論 II では全社戦略に関する講義を行う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 競争戦略に関する基礎的な用語、概念を正しく理解し、具体的な企業や産業を自ら取り上げて、競争戦略の分析を試みる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験の結果を重視するが、出席点等を加味して、最終的に判断する。概ね、定期試験を75%、その他を25%とする。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキストは使用しないが、以下にあげる参考文献は、授業の内容をより深く理解する上で、有用なものである。
 青島 矢一・加藤 俊彦 (2003)『競争戦略論』東洋経済新報社
 石井淳蔵・奥村昭博・加護野忠男・野中郁次郎 (2005)『経営戦略論[新版]』有斐閣
 ジェイ B.バーニー(岡田正大訳) (2007)『企業戦略論(上)』『企業戦略論(中)』『企業戦略論(下)』ダイヤモンド社
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 秋期開講の企業戦略論 II を併せて受講することが望ましい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業の概要
【第2回】
 市場構造と市場成果−ミクロ経済学の理論から
【第3回】
 市場構造−市場行動−市場成果アプローチの分析枠組み
【第4回】
 市場構造−売手集中度・製品差別化・参入障壁
【第5回】
 市場行動と市場成果
【第6回】
 競争戦略の理論−5つの競争圧力
【第7回】
 産業内の既存企業間の競争、潜在的参入者からの競争圧力
【第8回】
 代替品産業からの競争圧力、供給産業・買手産業からの競争圧力
【第9回】
 2つの事例分析−日本のテレビ放送産業・アメリカの医薬品産業
【第10回】
 戦略グループと移動障壁
【第11回】
 フルライン化と垂直統合による移動障壁
【第12回】
 競争の基本戦略(1)コスト・リーダーシップ
【第13回】
 競争の基本戦略(2)製品差別化、集中化
【第14回】
 競争戦略論の評価
【第15回】
 まとめ