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授業の内容(Course Description) |
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この授業では、ミクロ経済学の応用分野である産業組織論の基礎と応用を学習する。産業組織論は、企業や産業の分析をつうじて、消費者の利益も含めて、経済全体にとって、競争が効率的に行われているかどうかを検証し、その結果を評価する研究分野である。 いずれの国や地域においても、現在の主要産業では、少数の企業が、それぞれの企業戦略にもとづいて、価格だけではなく、製品差別化、広告、研究開発等の面で、互いに競争している。また、このような企業は、仕入先企業と販売先企業との間で、垂直的関係を構築している。この授業においては、このような企業間の競争や企業間の取引の本質と意義を理論的に分析し、経済的な含意を導く方法を学習する。 また、企業成長だけではなく、経済全体の成長にとっても、重要な意味をもつイノベーション(技術革新)と企業間競争に関する理論的・実証的分析を学習する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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産業組織論の基本的な用語・概念を正確に理解し、現実の企業間競争や企業間取引を経済学の論証方法を用いて考察する基礎を培う。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験の結果を重視するが、出席点等を加味して、最終的に判断する。概ね、定期試験を75%、その他を25%とする。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは用いない。必要に応じてプリントを配布する。 参加文献 新庄 浩二(編)(2006)『産業組織論[新版]』有斐閣 長岡 貞男・平尾 由紀子(1998)『産業組織の経済学』日本評論社
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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秋期開講の産業・企業研究 II (佐久間担当)を併せて受講することが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業の概要 【第2回】 企業の利潤最大化とそれを経営者に規律付ける制度・仕組み 【第3回】 企業の規模と範囲の決定要因 【第4回】 企業の意思決定と費用(1)平均費用と限界費用 【第5回】 企業の意思決定と費用(2)その他の費用概念 【第6回】 需要曲線と消費者余剰 【第7回】 競争的企業と競争市場 【第8回】 競争市場の効率性 【第9回】 独占企業の利潤最大化と資源配分上の非効率性 【第10回】 規模の経済と料金規制 【第11回】 独占企業の非効率性と公共政策 【第12回】 差別価格と二部料金制 【第13回】 企業間の協調行動−カルテル、プライス・リーダーシップ 【第14回】 垂直統合と垂直的取引制限 【第15回】 まとめ
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