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授業の内容(Course Description) |
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日本の先端技術産業のイノベーション(技術革新)を産業組織論の観点から分析していく。重要な視点は、イノベーションの進展が市場構造を規定していくことである。この授業では、半導体産業とコンピュータ産業を分析の対象として、以下の4つのテーマを取り上げる。 I.日本の半導体産業の技術革新と戦略グループ II.産業間関係と技術革新 III.アメリカのマイクロ・コンピュータ産業の形成と発展 IV.ナショナル・イノベーション・システム I では、多角化企業の戦略的事業分野における競争戦略をイノベーション活動を中心に分析する。 II では、先端技術分野における日本の中堅企業の技術形成を中心に分析を進める。 III では、巨大な新産業が形成されるプロセスを分析する。 IV では、汎用コンピュータ産業を題材に日米のイノベーションを生み出す制度・組織の比較・検討を行う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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この分野の専門知識を習得する。併せて、分析方法、資料の収集および解釈の仕方を習得し、修士論文等の作成の参考にする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末のレポートと出席状況、参加態度を併せて総合的に評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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つぎの書物をテキストとして用いる。必要に応じてプリントを配布する。 佐久間 昭光(1998)『イノベーションと市場構造』有斐閣
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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春期講義(産業・企業研究特講 I )併せて履修することが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 オリエンテーション 【第2回】 Ⅰ.日本の半導体産業 (1)日本の半導体産業の技術革新の特質 【第3回】 (2)戦略グループとグループ別設備投資行動 【第4回】 (3)戦略と企業成果 【第5回】 (4)戦略転換を可能にする条件 (5)日米の半導体産業における戦略グループの比較 【第6回】 II.日本の半導体装置産業 (1)中堅企業の技術形成 【第7回】 (2)技術開発における情報の共有と開発支援システム−デバイス・装置産業の協力関係 【第8回】 (3)半導体装置産業の産業組織 【第9回】 III.アメリカのマイクロ・コンピュータ産業 (1)新産業の形成と発展 【第10回】 (2)産業標準の確立−支配的企業と互換機企業の参入 【第11回】 (3)技術革新と市場構造の相互作用 【第12回】 IV.ナショナル・イノベーション・システム (1)アメリカの汎用コンピュータ産業の形成と発展 【第13回】 (2)支配的企業と独禁政策 【第14回】 (3)日本の産業政策と汎用コンピュータ産業 【第15回】 まとめ
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