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授業の内容(Course Description) |
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すべての西洋文学の基礎となる神話を講義します。主にギリシャ神話とユダヤ神話を扱います。 神話は、高度な象徴体系によって成り立っており、素人がそのまま読んでも意味を理解することはできません。それには特別な解法が要求されます。しかも神話は時代とともに高度化され、アレゴリー化・暗号化されていきます。この授業では神話の読み方(解法の仕方)を伝授します。日本語ではこうした神話の読み説き方について解説された書物がないため、この授業では教科書を挙げることができません。皆さんが書き取ったノートが教科書となります。 扱う素材は、ギリシャ神話では、ホメーロスからヘーシオドス、ウェルギリウスからオウィディウスを中心とします。またアレゴリー神話では古代ローマの詩人ルクレーティウスを扱います。原語は古代ギリシャ語とラテン語ですから、適時、私の訳を用いて解説します。 神話の読み説き方を学びながら、皆さんにも課題として、実際にいくつかの神話を自分で読み解いてもらいます。(数学のように答えは一つではありませんから、皆さんの興味深い解釈を楽しみにしています。) 次に、ユダヤ教の神話である聖書を解説します。旧約聖書と新約聖書の神話を読み解きながら、ユダヤ教とキリスト教の解説も行います。また、同じ旧約聖書から派生したイスラーム教についても『コーラン』をテキストとして解説します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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神話の読み説き方を学ぶことによって、テキストを深く読み込む能力を養うと同時に、テキストから多くの情報と教訓を得る能力を養う。こうした読解能力は日々の人生においても、新聞やその他のテキストを読みう際にも非常に役立つ。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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適時、課題として作文を提出してもらいます。また、期末試験を行います。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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すべて配布プリントによって行いますので、教科書を買う必要はありません。 また参考文献は授業中に適時指示します。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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恒常的な出席と清聴を要望します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】~【第7回】 ギリシャ神話のテキスト解釈を行う。 【第8回】~【第13回】 聖書の神話のテキスト解釈を行う。 『コーラン』との比較を適時交えながら、ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教の特質についても解説する。 【第14回】 試験 【第15回】 試験の返却および解説
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