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授業の内容(Course Description) |
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行政法は、一般には、なじみの薄い法分野であると思われる。いわゆる「六法」の中にも行政法は含まれていない。しかし、実際には、「犬も歩けば行政法に当たる」といわれるほど、われわれの社会生活に密接な関係を持っている。現代においては、行政が果たす役割は、国民の安全や福祉の実現、教育や科学技術の振興、経済の発展や道路・公園等の建設など、きわめて広範囲で、かつ、国民生活の隅々まで拡がっている。そのように増大している行政活動をコントロールするための法システムとして、行政法はきわめて重要なものである。 この行政法は、民法や刑法とちがって1つの法律ではなく、数百を超える多数の法律によって成り立っている。そのため、はじめて行政法を学ぶ者には非常にとっつきにくく感じられるものと思う。この行政法の授業で、行政法全体を通ずる基本的な考え方を知ることにより、行政の実態を把握し、行政というもののあり方についての正しい認識を得ることができるものと思う。 この春学期の行政法 I においては、はじめに、行政は誰が行うのか(行政組織)を論じた後、行政法の基本的な考え方(行政法の一般原則)、行政はどのように行われるか(行政作用)及びそのような行政活動を実現する手段等について講義を行う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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行政組織及び行政作用に関する行政法の基礎を学び、我が国の行政の実態を把握する手がかりを得るとともに、公務員試験その他の資格取得のために必要な行政法の知識を習得することを目標とする。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験による予定である。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:石川敏行ほか著『はじめての行政法』(有斐閣) (まだ検討中なので、変更する可能性あり。) また、簡単なものでよいが、「六法」を購入すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業にまじめに出席すること。 また、法律学の勉強には法律の条文に親しむことが不可欠なので、必ず六法を持参してほしい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 行政法とは? 【第2回】 行政は誰が行うか 【第3回】 国の行政のしくみ 【第4回】 公務員は悲惨か 【第5回】 地方自治は何のために行われるか 【第6回】 行政法の基本的な考え方 ― 法律による行政の原理 【第7回】 行政の手続的コントロール ― 行政手続法 【第8回】 情報公開と個人情報保護 【第9回】 行政はどのように行われるか ― 行政の行為形式 【第10回】 行政処分とは? 【第11回】 行政指導はどんな役割を果たしているか 【第12回】 行政立法と行政計画 【第13回】 行政も契約により行われる 【第14回】 行政の実効性確保の手段 【第15回】 今学期のまとめ
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