Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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経済法 I 楢崎 憲安
選択  2単位
【経済】 09-1-1210-1754-11A

1. 授業の内容(Course Description)
 経済法Aでは、自由経済における企業活動の基本的なルールを定める独占禁止法を全般的に解説します(いわば独占禁止法概論)。
 具体的には、競争政策の役割、経済法の中核である独占禁止法の体系と目的、どのような行為をすれば違反となるか(実体規定:不当な取引制限、私的独占、企業結合、不公正な取引方法)、違反した場合にどのような措置がとられるか(エンフォースメント:行政措置、刑罰、民事措置)について、審判決例や公取委における実務を中心に解説しながら、独占禁止法の全体像と基本的な考え方を学んでいきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 独占禁止法の全体像と基本的な考え方を理解し、経済法をめぐる諸問題について思考できることを目標とします(経済法B「経済法の現代的問題」へのスタート)。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験を中心に、授業内の小テスト、出席状況などの平常点を勘案して、総合的に評価します。期末試験のウエイトが60%、小テストが20%、出席状況等が20%。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 講義概要をまとめたプリントを事前に配布し、また、必要に応じて参考資料(公取委の発表資料など)を用意することにしています。
 特に教科書は指定しませんが、川浜ほか『ベーシック経済法(第2版)』(有斐閣)、『独禁法審決・判例百選 第6版』(別冊ジュリスト161号2002)は有用です。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 独占禁止法は難解であるといわれるが、その基本的考え方をしっかり学ぶことが重要です。そのためには、授業に出席して、積極的に取り組むことが必要です。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 イントロダクション(授業計画・成績評価など)、競争政策の役割
【第2回】
 独占禁止法の体系と目的、競争法の沿革と進展
【第3回】
 不当な取引制限(1)
【第4回】
 不当な取引制限(2)
【第5回】
 事業者団体に対する規制とガイドライン
【第6回】
 私的独占に対する規制
【第7回】
 企業結合規制とガイドライン
【第8回】
 不公正な取引方法(総論)
【第9回】
 不公正な取引方法(垂直的取引制限と流通・取引慣行ガイドライン)
【第10回】
 不公正な取引方法(競争者排除型の行為類型)
【第11回】
 不公正な取引方法(競争手段の不当な行使と優越的地位の濫用)
【第12回】
 独占禁止法の基礎概念(事業者、一定の取引分野、競争の実質的制限と公正競争阻害性など)
【第13回】
 独占禁止法のエンフォースメント(違反事件の処理手続、排除措置命令・課徴金納付命令)
【第14回】
 独占禁止法のエンフォースメント(刑事罰、差止請求・損害賠償、契約をめぐる訴訟)
【第15回】
 まとめと試験