Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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日本文学概論 II 濱田  陽
必修  2単位
【日本文化】 09-1-1310-0430-18A

1. 授業の内容(Course Description)
 【文化象徴(シンボル)によって日本文化の東アジアにおける個性と共通性を探る】
 植物から蘭を、そして親しみやすい十二支動物からイノシシ・虎・龍・犬を選び、日本文化と東アジア文化のつながりを学ぶ。
 植物・動物の文化象徴は、時間の壁(前近代・近代・ポストモダン)と空間の壁(日本列島・朝鮮半島・中国大陸)を乗り越え、宗教・思想・文学・生活全般から素材を得て、日本文化にはかりしれない影響を与えつづけている。
 文化象徴のマイナス面を自覚し、プラス面を再評価していけば、東アジアの共存と交流に大きなヒントを与えてくれる。余裕があれば、他のシンボルや伝統文化のトピックも取り上げたい。
 【伝統文化を新たな目で見直す感性を磨く】
 何気ない動植物を手がかりに文化の面白さ、奥深さを学びなおすことができる。日常、目にするさまざまなシンボルの意味に興味を持ち、日本文化を外に開いていく感性を磨いて欲しい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 文化象徴を読み解くための基礎的な発想力を養う。また、授業内で学んだ内容をふまえながら、自らが独自に考えた感想を交え、1000字以上の考察をまとめる力を身につける。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席(55%)、期末試験(45%)を目安とする。期末試験のテーマは試験の2~3週間前に発表する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 参考文献
 『韓中日文化コードを読む―比較文化象徴事典』李 御寧 編、濱田 陽 他執筆、Jonginara出版、2006.
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 きちんと出席し、ノートを取りながら授業に集中して理解を積み重ねていくことが、期末試験のために必要である。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】・【第2回】
 「文化象徴(シンボル)からみる伝統文化」
【第3回】・【第4回】
  「亥―山の神としてのイノシシ~人と自然が出会う原風景」
【第5回】
  「亥―循環する亥~新しい文化交流の象徴として」
【第6回】
  「寅―海を越えた虎の霊力~日本にいない虎がなぜ日本人の信仰を集めるようになったのか?」
【第7回】
  「寅―虎の不在がもたらした文学的不幸からの脱却をめざして」
【第8回】
  「辰―龍の文明と日本」
【第9回】
  「辰―ユビキタスな運動体としての龍」
【第10回】
  「戌―日本列島人の信仰と犬」
【第11回】
  「戌―日本の古典文学にみる人と犬のコミュニケーション」
【第12回】
  「蘭―独特な生命力を放つ日本の蘭」
【第13回】
  「東アジアの中の日本―文化象徴に表れた個性」
【第14回】・【第15回】
  「期末試験」「期末試験答案返却・全体講評」
 *以上の順序は入れ替わることがある。また、社会状況、国際情勢の変化に応じて、新しいトピックを加える。