1. |
授業の内容(Course Description) |
|
英語についての理解を深める学問として、英語学があります。 広く深い英語学により、英語に対する様々な理解の仕方を紹介していきます。英語の語彙の歴史・変化・多様性、英単語や英文の構造、意味論、コミュニケーション論、文章の情報構造、など。 たとえば、似たような意味の語句がたくさんあるがどのように使い分けるか、askとrequest、fastとrapid, roadとway, dragとpullという全く形の違う語がなぜ類語で、どう使い分けるか、make, do, takeなどをどう使い分けるか、友達には使えるけど社会人としては使わないほうがよい語句にはどういったものがあるか、同じ語に様々な意味があるのはなぜか、日本語と英語にはどのようなずれがあるか、英語の文はどのように組み立てるのか、動詞の補語や目的語とは何か、イギリス英語とアメリカ英語の違いの話、英語はフランス語やドイツ語とどういう関係なのか、等。 特に、意味論(語彙体系、表現のパターンや意味のdynamics & network、日英語比較、談話の構造や解釈、語用論[言語運用論]など)は詳しく取り上げます。 また、実用的な語彙力・表現力・総合的英語力増強に役に立つような話も盛り込みます(春期は生活語彙)。様々な英語理解の基本になることを願っています。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
英語を、授業で扱う様々な知的な意味付けと豊富な例から、より深く正確に理解すること。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
少しずつの課題と、理解度チェックのテストで判断します。 (授業に出ていないと、課題もやりそこなうし、肝心な点を把握しそこなうと思います)
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
①長谷川 瑞穂 編著『はじめての英語学』研究社 ②朝尾 幸次郎『英語の演習[3]語彙・表現』大修館書店
|
5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
「入門」は、英語理解に関するいくつかの糸口を提示するものです。そこで把握したことを手段として、積極的に英語(および英語と日本語の対応)の理解に取り組んでほしいと思います。まじめに聴いて、分からないことがあったら遠慮なく質問に来てください。 「学ぼう」「理解しよう」という姿勢・態度が一番重要です。それがあれば、英語力も集中的に進歩するだろうと思います。虚心坦懐に実直に頭に入れれば今後の英語理解に大いに役に立つでしょうが、間違えていい加減に覚えると、有益な活用ができなくなると思います。
|
6. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
進捗状況により多少のずれや順番の入れ替えはあり得ます。 【第1回】 ガイダンス 【第2回】 広がりゆく英語学の諸分野 【第3回】 ことばの多義性、意味の体系と流動性 【第4回】 音声学・音韻論 【第5回】 辞書と意味論、認知言語学 【第6回】 英語の歴史 概観 【第7回】 英語の語彙の多様性1 【第8回】 英語の語彙の多様性2 【第9回】 語と語の意味関係1 【第10回】 語と語の意味関係2 【第11回】 コロケーション 【第12回】 イギリス英語・アメリカ英語など 【第13回】 文法・文の構造1、文法論 【第14回】 文法・文の構造2、統語論・生成文法 【第15回】 春期のまとめ
|