Web Syllabus(講義概要)

平成21年度

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中国文化論 II 劉  洋
選択  2単位
【国際文化】 09-1-1410-1877-04A

1. 授業の内容(Course Description)
 この授業は、現地に直接調査した中国の伝統的な木版画の「年画」制作や木版画の「年画」の物語、正月の行儀を通して中国民間の風習・習俗から中国人の伝統的な思想について紹介することが目的である。
 年画は中国の年間行事が深く関係している。それは、春節(正月)だけではなく、年間の重要行事である正月15日の上元、5月5日の端陽、8月15日の中秋などに、入れ口の門や室内の壁など室内外に貼って、駆邪、安全、納福、慶喜、長寿、迎祥などを祈念する信仰的な木版画である。「年画」は、神仏、物語、めでたい図柄や文字などを表現している。それには、中国の人びとの素朴な願いが込められている。そして、「年画」という木版画として中国の伝統的な思想、民俗文化を表わし、装飾品として室内外に飾られた。中国の伝統的な民間の木版画と民俗芸術文化として、その後の人びとにも継承されてきた。
 さらに、蘇州の「年画版画」などは、徳川時代には長崎唐人屋敷などに船で運ばれ、日本の浮世絵にも大きく影響を与えている。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)

3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況と授業態度、レポート、プレゼンテーションを総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 講義内容の要約プリントなどを配布し、それに沿って講義を進める予定。参考文献などについても授業のなかで説明する。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 中国切り絵の創作が含まれるため、受身ではなく、積極的に自らの豊かな感性を発揮し、手作業の中国切り絵の創作によって異国文化を理解しながら大いに楽しんで欲しい。期末に大學で手作業したミニ『中国切り絵展』を開催する。授業内容の進め方によっては週の授業内容の順番が変わることがある。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 授業に関する説明。
【第2回】
 楊家埠木版年画の武門神年画の「神荼」と「鬱塁」という兄弟の物語と掲示。唐代(618~907年)「秦瓊」と「敬徳」の二人の名将軍の「門神」年画など「門神」年画の物語と掲示。「鐘馗」の「判官斬燕」など年画の物語と掲示。
【第3回】
 楊家埠木版年画の文門神年画の「五子登科」と「五子奪馗」などの年画の物語と掲示。楊家埠木版年画の室内門神年画の美人条年画の「連年有余」、「麒麟送子」と「観楽新年」などの年画の意味物語。
【第4回】
 楊家埠木版年画の「六畜興旺」の家畜門神年画と農民たちが自分で文字を筆書きした「六畜興旺」と「福」赤い符について。「財神年画」と「劉海劇金蟾」、「八仙過海」など年画の神話物語・掲示。「揺銭樹」などの年画と年画に関する中国の吉祥富貴のシンボルーイメージについて。
【第5回】・【第6回】
 楊家埠木版年画の坑頭(オンドル)年画について「鎮宅虎」、「多子多福」、「一門三状元」、「三国志」、「七夕祭り」、「梁山伯と祝英台」、「白蛇伝」、「包公上任」、「瀋万三打魚」、「二月二」「男十忙」「女十忙」、などの伝説と物語。
【第7回】~【第11回】
 手作業の中国きり絵の『クリスマスカード』と『年賀状』の創作。
【第12回】~【第14回】
 手作業の中国きり絵の『コースター』の創作。
【第15回】
 レポートの提出と、創作した作品をミニ展示する準備(展示期間は検討中)。