Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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日本経済史 I(火2)
(日本経済史)
石川 治夫
選択必修  2単位
【経済】 10-1-1110-0041-07

1. 授業の内容(Course Description)
 月曜日と火曜日、それぞれ別内容の講義を行います。履修登録は月曜日・火曜日のどちらか片方しかできませんので、よく注意して興味のある講義を受講してください。
 火曜日2限で扱う対象は第2次世界大戦以後の「戦後日本資本主義」です。このうち春学期では、第2次世界大戦後から高度経済成長第1期までについての授業を行います。この時期の日本経済は、敗戦直後の荒廃から「高度経済成長」に向かうめざましい発展局面とオイル・ショック、ドル・ショックによる高度成長の終焉、その後の「安定成長」と「バブル経済」から「平成不況」への急転といったさまざまな変転を経験しました。この講義ではその中でも「高度経済成長」にポイントを置いて戦後日本経済を考えてみたいと思います。その理由は2つあります。ひとつは「高度経済成長」は戦後の日本経済を考える上で、たいへん重要な時期で、おそらく君たちがもっとも興味を抱く時期であること。もうひとつは高度成長期に形成された日本経済の基本構造の問題点が現在の深刻な不況の根底にあると考えるからです。「歴史」は人間が「現在」を考える時に有力なカギを与えてくれます。そんなことを念頭において高度経済成長の「光」と「影」を明らかにしたいと考えています。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 (1)敗戦時の日本経済の実態を正しく把握し、「経済民主化」の意味を理解する。
 (2)高度経済成長の前提となる経済復興政策の目的を把握した上で、1950年代中葉になぜ「高度経済成長」が求められたのかを理解する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験の成績による。
 成績評価に反映する出席調査、小テスト等は一切行なわない。ただし、「授業を聴きに来てくれた人にいい成績をつける」のが私の基本姿勢なので、出席回数に応じて得点できるように出題方法を工夫している。私もプロの教員であるから、わざわざ出席調査をしなくても試験の答案を見ればその受講者が授業を聴いてくれたか否かを判別できるという自負を持っている。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 プリントを配布する。
 参考書:森 武麿 他 『現代日本経済史・新版』(有斐閣)
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 適当なテキストが見つからないので毎回配布するプリントを中心にして授業を進めてゆきます。プリントはサブノート形式なので、講義を聴きながら空白部分=重要事項を埋めてゆけば自然にわかりやすいノートが完成するようになっています。ただし、プリントには「項目」と「データ」しか印刷されていないので、授業を聴かずにプリントだけ持って帰っても無意味です。明治維新以降の日本経済の発展に興味のある人は月曜の授業を履修してください。昨年度は受講資格が「経済学科3年生」に限られていたので、受講を望んでくれた4年生や他学科・他学部の諸君の希望には応じられなくて残念でした。今年度はそれを少しでも広げてもらうようお願いしてありますが、結果は時間割表で確認してください。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス
【第2回】
 序 戦前日本資本主義の到達点
【第3回】
 1 戦後改革
 (1) 敗戦時の日本経済①
     (戦争被害と「経済危機」)
【第4回】
     敗戦時の日本経済②
     (国民生活の実態)
【第5回】
 (2) 経済民主化
  ① 財閥解体―1
【第6回】
    財閥解体―2
【第7回】
  ② 農地改革
【第8回】
 (3) 戦後日本資本主義の出発
  ① 経済復興のための諸政策
  ② 占領政策の転換
【第9回】
  ③ 経済安定9原則
【第10回】
  ④ 日本経済の復興―1
【第11回】
    日本経済の復興―2
【第12回】
 2 高度経済成長
 (1) 高度経済成長の出発点
【第13回】
 (2) 高度経済成長第1期―1
【第14回】
     高度経済成長第1期―2
【第15回】
 まとめと試験