Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

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経済学史 II
(経済学史)
賀村 進一
選択必修  2単位
【経済】 10-1-1110-0157-07

1. 授業の内容(Course Description)
 発展し、変化・変貌する資本主義経済を天才たちはどのように把握したのであろうか?
 資本主義経済はイギリスにおいてまず形成・発展し、諸外国を資本主義化するとともに、イギリス自体の経済構造をも変化させた。イギリス経済は重商主義の経済から、“産業革命”を経て機械生産の経済へと移行し、さらにイギリスを含む先進資本主義諸国では生産が巨大化して、独占資本主義・帝国主義と呼ばれる経済へと進んだ。
 このような経済構造の変化・推移とともに、経済構造の分析・解明を試みる経済学もまた変化・発展した。イギリスでの重商主義経済学、フランスでの重農主義経済学、イギリスの古典経済学、対抗するドイツ歴史学派経済学、古典経済学を批判し克服しようとするマルクス経済学と限界革命の経済学、新古典派経済学、そしてケインズ経済学等々である。
 この授業(「経済学史II」)では、上記のような経済学の歴史の全体像のうち、近代の経済学を中心にして、経済学の前提として存在する資本主義経済の展開との関連に留意しながら、説明してゆく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 経済学史IIの到達目標は、資本主義経済の成熟とマルクス経済学、新古典派経済学、ケインズ経済学、シュンペーターの経済学の関係を理解すること、および顕在化した地球環境問題と経済学の関係を理解できることである。
 この目標の到達度は期末試験で評価される。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 定期試験の成績で評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 当面、テキストは使用しない。
 参考書は必要に応じて紹介するが、標準的なものを一冊準備することが望ましい。例えば、
 『経済学史』   小林 昇・杉原 四郎 編(有斐閣双書)、
 『経済学史講義』 宮崎 犀一・上野 格・和田 重司 編著(新評論)、
 『経済学史』   早坂 忠 編著(ミネルヴァ書房)、
 『経済学の歴史』 根井 雅弘 著(筑摩書房)、など。
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業時数との関係で触れることのできない、例えば、ドイツ歴史学派経済学、制度学派経済学、新古典派経済学等々、それに殆どの現代の経済学については、上記の参考書で学習して欲しい。
 また、内容豊富なノート作りに励んでもらいたい。
 この「経済学史II」(担当・賀村)の履修者は、経済学の全体像を理解すためにも、前期の「経済学史I」(担当・賀村)から継続して履修することを望む。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 序 論 古典経済学と近代経済学
【第2回】
 第3編 近代経済学
  第7章 マルクスの経済学―1
【第3回】
  第7章 マルクスの経済学―2
【第4回】
  第7章 マルクスの経済学―3
【第5回】
  第7章 マルクスの経済学―4
【第6回】
  第7章 マルクスの経済学―5
【第7回】
  第8章 限界革命の経済学
【第8回】
  第9章 ケインズの経済学―1
【第9回】
  第9章 ケインズの経済学―2
【第10回】
  第9章 ケインズの経済学―3
【第11回】
  第10章 シュンペーターの経済学―1
【第12回】
  第10章 シュンペーターの経済学―2
【第13回】
 第4編 現代経済学
  第11章 戦後経済の新課題と経済学―1
【第14回】
  第11章 戦後経済の新課題と経済学―2
【第15回】
  補 論 経済学史の全体像
 ※ 進度などの関係で、一部変更されることもあります。