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授業の内容(Course Description) |
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統計学は、多くの学問分野で研究活動のために欠かせないだけでなく、企業や国・地方公共団体でも多くの業務に応用されている。それは、統計学がデータの整理・分析やデータに基づく判断のための、有力な手段を提供しているからである。そのため、統計学の考え方を身につけることは、経済学をはじめとする諸科学を学ぶ上でも、また社会において実務に携わる上でも、大いに有用である。 この講義では、データを分かりやすい形にまとめてデータが表すものを読み取ったり、データから様々な推測を行ったりするための、基本的な方法を学習する。ここで学ぶ方法は、経済の分析を行ったり、社会に出て業務上要求される各種データの分析を行う上で、不可欠のものとなっている。 経済学や実務においては、政府や民間機関が公表している統計を利用することが多いので、講義を進める際には、実際の統計を用いた例も取り上げていきたい。統計学にとって、数学は重要な土台の一つであるが、データの整理や分析を進める上で大事なのは統計的な考え方である。講義でも、それぞれの方法の考え方、結果の意味や利用上の注意点を説明することに重点を置いて進めていきたい。 秋学期では、標本データから母集団に関する推測を行う方法について学ぶ。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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標本と母集団の関係を理解するとともに、標本から母集団平均などを推定する方法、母集団についての仮説を検定する方法を利用できるようにすること、そして回帰分析の基礎を理解することが目標である。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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課題への取り組み状況、出席状況、試験結果の総合評価による。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストとしては、春学期と同じく、篠崎信雄・竹内秀一『統計解析入門 第2版』(サイエンス社)を使用する。秋学期には、テキストの6章~11章の部分を使う。テキストを用いながら授業を進めるが、補足的な説明や演習のため、必要に応じてプリントを配付する。
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5. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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各回の講義内容を着実に理解していかないと次の授業内容が分からなくなるので、欠席しないようにすること。平方根を求めることのできる電卓を、毎回、必ず持参するようにすること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容・計画、入門統計学Iの復習 【第2回】 主な確率分布(1)2項分布など 【第3回】 主な確率分布(2)正規分布 【第4回】 多次元の確率分布(1)2次元の確率分布、独立な確率変数 【第5回】 多次元の確率分布(2)確率変数の和の確率分布 【第6回】 標本分布と統計的推測(1)標本抽出と標本分布 【第7回】 標本分布と統計的推測(2)大数の法則、中心極限定理 【第8回】 標本分布と統計的推測(3)統計的推測の考え方 【第9回】 推定(1)平均の推定 【第10回】 推定(2)分散の推定、比率の推定 【第11回】 仮説検定(1)仮説検定の考え方 【第12回】 仮説検定(2)平均値、比率の検定など 【第13回】 直線回帰(1)直線回帰モデル、最小2乗法による推定 【第14回】 直線回帰(2)決定係数、回帰係数の仮説検定 【第15回】 まとめ
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