Web Syllabus(講義概要)

平成22年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
日本と国際経済 I
(国際経済論 I)
高梨 和紘
選択必修  2単位
【経済】 10-1-1110-1895-07

1. 授業の内容(Course Description)
 世界全体としてはWTOがグローバリゼーションの先導役をつとめているが、これと並行して北米やヨーロッパをはじめ複数の地域では経済統合の機能が展開されつつあり、また二国間レベルでは自由貿易協定の締結が目白押しである。こうした世界経済のグローバリゼーションの潮流の中で、国際的な特化と分業を通じて安価で高品質な財・サービスの輸出入がいっそう容易となり、われわれはより豊かな生活を享受することができることになった。財・サービスばかりでなく、対外・対内直接投資(企業の国際移動)や通貨の移動も活発に行われている。ところが、最近の日本では、われわれの日常生活を根底で支えている農産物やエネルギー価格の高騰に直面し、とりわけ食料については貿易依存度を引き下げるべきであるという議論が盛んである。「日本と国際経済I」では、日本経済が世界経済とどのような特徴を見せながら関わっているのか、貿易や直接投資の側面を中心に説明する。それを踏まえて、世界経済の枠組みの中で日本経済のあり方を考えたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 受講生には、日本経済が国際経済にいかに深く関わっているのか、認識を新たにしてもらいたい。そして、グローバリゼーションの流れに身を任せていくことの結果、日本経済はもとよりその下にあるわれわれの日常生活はどのように変容していかざるをえないのか、あるいは国際経済とのつながりを制限して日本経済の自立の方向へ持っていくべきなのか、講義からの情報を総合してこれらの課題に対して自分の意見を持てるようになって欲しい。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト、出席などの平常点によって総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 伊藤 元重著『ゼミナール国際経済入門』日本経済新聞社、2005.
 板垣・岩田・瀬戸共編『グローバル時代の貿易と投資』桜井書店、2003.
5.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 問題意識をもって、受講して欲しい。
6.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 国際経済のグローバル化
【第2回】
 国際通貨システム
【第3回】
 多国籍企業と労働移動
【第4回】
 技術革新と環境問題
【第5回】
 貿易依存度
【第6回】
 BRICU連動型成長
【第5回】
 農業の過剰保護
【第8回】
 環境問題
【第9回】
 日本の企業の直接投資
【第10回】
 直接投資とその決定要因
【第11回】
 進出先経済へのインパクト
【第12回】
 対内直接投資とは
【第13回】
 対外直接投資との非対象性
【第14回】
 労働移動、アウトソーシングの意義
【第15回】
 まとめ:日本と国際経済済の選択−展望